厚生労働省は、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」について、より使いやすい制度にするための取り組みの一環として、2024年12月に、他の改定とあわせ、加入手続きの簡素化を図った。
iDeCo普及推進キャラクター「イデコちゃん」
●勤務先に申請せずにOK 加入手続きがより簡単に
iDeCoとは、毎月決まった掛金(最低5000円以上、1000円単位)を対象の投資信託や定期預金などで原則65歳まで積み立て、原則60歳以降に一時金または年金形式で受け取る私的年金制度。積立期間中の掛金は全額が所得控除の対象となり、運用益も非課税となる。
従来、会社員・公務員などは、掛金の上限額を確認するため、iDeCo加入手続き時に勤務先に申請し、「事業主証明書」を入手する必要があったが、確定給付企業年金制度の改正により、24年12月1日から、個人口座から掛金を拠出する場合(本人自身で掛金を拠出する場合)、勤務先に申請することなく、iDeCoに加入できるようになった。
加入手続き時簡素化に関する詳細
これはDBなどの他制度の情報についても企業年金プラットフォームから提供されるようになり、これまで事業主が証明していた企業年金の加入状況などについて、iDeCoの実施機関である国民年金基金連合会が確認できるようになったため。事業主側においても「従業員のiDeCo加入時・転職時における企業年金の加入状況に関する事業主証明書の発行」と「年1回の現況確認」が不要になった。
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同じく24年12月には企業年金・共済加入者のiDeCoの掛金の上限額がこれまでの月額1万2000円から2万円に引き上げられた。会社に企業年金のない会社員は従来通り、掛金の上限額は月額2万3000円。
iDeCoは22年5月の加入者範囲のさらなる拡大、同年10月の企業型DC(確定拠出年金)加入者におけるiDeCo加入の要件緩和などの制度変更を受け、加入者数を順調に増やしてきた。24年12月の加入手続き簡素化によってさらなる増加が期待される。