レッドブルF1重鎮、崖っぷちペレスが高額違約金要求との噂を“ナンセンス”と一蹴。テスト実施の角田裕毅を称賛

 レッドブル陣営は未だ2025年シーズンのレッドブル・レーシング、そして姉妹チームRB/レーシングブルズのドライバーラインアップを確定していない。同社でモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは近いうちに発表するとしているが、少なくとも渦中のセルジオ・ペレスをめぐる噂については否定した。

 2024年シーズンの最終戦アブダビGPでは、不振が続いたペレスの今後について様々な噂が流れた。例えば、レッドブルとペレス側が円満に袂を分かつ選択肢を探しており、レッドブルが高額な違約金の支払いに応じた場合にのみペレスが離脱に応じるという話もあった。

「来年のドライバーラインアップがどうなるかについては、近日中に発表する予定だった」

 12月16日に公開されたSpeedweek.comのコラムでマルコはそう綴り、ペレスをめぐる噂を否定した。

「買収の可能性を含め、様々な憶測が飛び交っているが、それは全くのナンセンスだ」

 一方、アブダビGP後にヤス・マリーナ・サーキットで実施されたポストシーズンテストで、シニアチームでの初テストを実施した角田裕毅にも多くの注目が集まっている。

 RBに所属する角田は2チームのマシンの違いを的確に指摘し、フィードバックもレッドブル・レーシングのエンジニアから高く評価されたという。

 育成プログラムで手塩にかけてきたマルコ自身も、角田の能力を改めて認めたようだ。

「シーズン終了後のテストで角田は、RB20でコースを走ることができた。チームは彼の技術的なフィードバックに満足していた」とマルコは指摘した。

「この点では、彼は世間で言われているよりもずっと良い」

 マルコはアブダビGPの時点で、2025年のドライバーラインアップを決定するのはシーズン終了後になるだろうと示唆し、レッドブル・レーシングの関係者を集めた会議、そして“フィロソフィー的な問題”次第だと説明していた。

 レッドブルは自陣営の育成プログラムから若手ドライバーを起用してきたが、2021年にペレスを起用したことでその流れが断ち切られた。

 しかしマルコ曰く、チーム関係者は旧来の方法への回帰を目指し、陣営内のドライバーを優先。マックス・フェルスタッペンの将来的なチームメイトとして、RBから角田もしくはリアム・ローソンを起用することをより重視するはずだという。

 レッドブル陣営がペレスに別れを告げた場合、来年からはレーシングブルズとなる姉妹チームには今季のFIA F2でランキング2位となったアイザック・ハジャーが昇格する可能性が高いものと思われる。