マックス・フェルスタッペンは、現在のレッドブルとの契約が切れる2028年までにF1チームを変える理由はないと語った。
フェルスタッペンとレッドブルは今季前半、サーキットの内外で波乱に満ちた時期を過ごした。チーム代表であるクリスチャン・ホーナーと、フェルスタッペンの支持を受けるアドバイザーのヘルムート・マルコを中心に、チーム内で権力闘争が繰り広げられていたのだ。
フェルスタッペンの父であるヨスは、ホーナー代表に退陣を迫ったシーンもあったが、なんとかレッドブルは難局を乗り越え、コース上でのパフォーマンス向上に注力。ライバルチームの追い上げでコンストラクターズタイトルは逃したが、フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇を果たした。
その中でデザイナーのエイドリアン・ニューウェイやスポーティング・ディレクターのジョナサン・ウィートリーなど、何人かの主要メンバーがチームを去ることを決めた。
フェルスタッペンもメルセデスのトト・ウルフ代表と話し合いを持ったものの、レッドブルとの現行契約を途中で解除する理由はないと語った。
「F1を見ていて、誰かが契約を解除することはあまり頻繁には起きない。サッカーのように、5年契約を結んで1年後に出ていくようなことはない。それは本意ではないんだ」
フェルスタッペンはオランダの放送局『Viaplay』にそう語った。
「来年や2年後に何が起こるかわからないけど、それはコントロールできない。だから、あまり深く考えていないんだ。僕は今の状況にとても満足している。またチャンピオンシップに勝てたんだから。もちろん、マシンの改良は必要だけど、それはとても理にかなったことだと思う。チームとはいい感じだし、自分らしくいられる」
「みんな、常に僕に最高のマテリアルを提供するために全力で取り組んでくれている。その点では、何も不満はない」
Max Verstappen, Red Bull Racing RB20
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
ウルフ代表によるメルセデスの売り込みは、移籍を納得させるのに十分なほど興味深いものではなかったのかと訊ねられると、フェルスタッペンはこう答えた。
「ビッグチームは常に興味深いものだが、一方で、僕もまた非常にビッグなチームにいる。僕は彼らと多くの成功を収めてきた。第二の家族のような感じもする」
「もちろん、僕たちはいつもお互いに話をしている。一緒に座って話をしたという事実に嘘はない。とても建設的な話し合いができたし、みんな常にとても正直でオープンだったと思う」
「でもその一方で、僕は自分のチームにとても忠実で、そこが自分の居場所だと感じている。今のところ達成すべきことはあまりない。僕はまだとても若いから、将来的にはいろいろなことが起こり得るよ」
フェルスタッペンはたびたび、いつまでもF1にしがみついているわけではなく、ル・マン24時間やその他のスポーツカーイベントに参戦する野心を持っていることをほのめかしてきた。そのためにはメルセデスのように様々なカテゴリーに参戦しているメーカーと組むのが理にかなっているはずだが、フェルスタッペンは焦っていないと示唆した。
「僕にとっては、F1だけがすべてじゃない。いろいろなことをやりたいし、それについても考えている。そのためにふさわしいパートナーは誰なのか? そうだね、そういうことも考えてはいるけれど、今すぐ決断する必要はないんだ」
「F1の後の目標は複数ある。耐久レース、自分のチーム、いろいろなことが関係している。そしてもちろん、最終的にはプログラムが必要だ。それを誰とやるのか? そういう会話もしている」
「その助けになるチームはたくさんある。メルセデスやフェラーリ、アストンマーティンなどの他、F1とは関係ないチームもたくさんある。レッドブルはもちろん、F1以外でも多くのことをやっている。だから、僕はすべての選択肢をオープンにしているし、最終的には自分がベストだと思うものを選ぶよ」