JKAは22年ぶりとなるユニフォームのリニューアルに伴い開催した、廃棄予定となるユニフォームを利活用する「アップサイクル」部門と、KEIRINが持つ魅力を多くの人々へ伝えることを目的とした「アートポスター」部門の、全2部門制となる業界初のアップサイクル&デザインコンテスト『KEIRIN ART AWARD』を開催。

8月5日(月)より始まった本コンテストは、環境保護への意識を高めると同時に、競輪のさらなる魅力、メジャー性を訴求することを目的に実施され、学生やクリエーターなどから多様なアイデアを積極的に募集。

審査には、BEAMS CULTUART プロデューサー 佐藤尊彦氏や社会活動家・ソーシャルデザイナー 田中美咲氏、so+ba Design クリエイティブ・ディレクターAlex Sonderegger氏も参加し、アップサイクル部門 では36名、アートポスター部門では137名のご応募の中から、グランプリを含む計12名の受賞者が決定となった。

今回はグランプリ、準グランプリの受賞者をご紹介しよう。

【アップサイクル部門 受賞者】

競輪で過去22年にわたって選手が実際に着用していた9色のユニフォームを素材にしたアップサイクル部門では、カラフルな色合いや背番号など、ユニフォームならではの特徴を活かし、日用品からユニークなアイテムまで、多様な作品が集まりました。

◆グランプリ

作品名:「HASSO Cushion」/作者:王婧怡(オウ・セイイ)

作品について:エネルギッシュさと、フィジカルの強靭さ。競輪の魅力は、スポーツの域に留まらず、観る者の心を揺さぶります。「HASSO Cushion」は、そんな競輪選手たちの肉体的な美しさと圧倒的なエネルギーを、日常に取り入れるためのアップサイクルプロダクトです。競技の中で肉体が発する瞬間的な激しさを、クッションという柔らかな形で表現しました。触れるたびに競輪の「疾走」がもたらす高揚感と、その先に広がる安らぎを体験できます。

審査員コメント:一目で心惹かれてしまいました。特徴的なフォルム、カラーリングは競輪とそのユニフォームをさらに魅力的にしてくれていると思いました。(田中氏)

◆準グランプリ

作品名:「KEIRINユニフォームバッグ」/作者:OHAGI

作品について:ユニフォームの形状と伸縮性のある素材、キャッチーな数字のデザインを活かして、 自転車とも親和性の高いユニフォームのボディバッグを提案します。 このバッグを背負って競輪気分になることで、サイクリングやお出かけがより楽しくなれば嬉しいです。

審査員コメント:製作において廃棄部分と工程を極端に削ったアイデアは、まさにアップサイクルに相応しい提案でした。(佐藤氏)

【アートポスター部門 受賞者】

「世界のKEIRIN」としての魅力を象徴的かつ端的に示すアートポスター部門です。多くの学生やアーティスト、デザイナーたちが「KEIRIN」というテーマに挑戦いただき、新たな創造的な視点やアイデアが生まれました。

◆グランプリ

作品名:「努力が強さになる」/作者:治部 晶

作品について:競輪の鮮やかでエネルギッシュなレースの裏にある、選手の努力や葛藤をイメージして制作しました。何層にも重ねられた線は自転車を漕いだ跡であるとともに、「目に見える努力」の蓄積です。この作品では「線」に大きな意味を持たせ、重きを置きました。華やかなレース時とは対照的な、練習時の努力や葛藤という、別の視点で競輪を見るきっかけになる作品にしたいと思い制作しました。

審査員コメント:華やかな表舞台の背景に目を向けた素晴らしい作品だと思います。この努力の積み重ね、選手同士の思いなどが紡がれて今があるのだと知ると、競輪がさらに魅力的に感じられます。(田中氏)

◆準グランプリ

作品名:「Integration」 /作者:松田 兼一郎

作品について:ブレーキのない自転車で最高速度70キロを超えるスピードで競い合う選手たち。その激動の中で一体化する選手と自転車を、競輪の象徴である車輪をモチーフに9色で表現しました。研ぎ澄まされた肉体と精神、スピードを感じられるようにシャープな印象に。また、ポスターの天地左右どこを上にしても成立する仕様に。このポスターを見た選手、スタッフ、観客の思いが一体化して競輪の明るい未来をイメージできることを目指しました。

審査員コメント:スポーツの身体性ではなく、車輪やユニフォームの色を使った抽象的アプローチに意外性を感じました。(佐藤氏)

ちなみに、ユニフォーム刷新では、東京藝術大学 長濱雅彦教授がデザイナーとして携わり、「フィット感等の機能性の向上」に加え、「スポーツ性、アスリート性を訴求したフォルム・デザイン」、「シンプルかつスタイリッシュなデザイン」をコンセプトに一新。

このリニューアルコンセプトを実現するため、スリムフィットを基調とした、新たな素材を使用し、乗車姿勢を基準とした設計。

また、ペットボトルから再生されたリサイクルポリエステル糸と、弾性繊維ポリウレタンを使用しており、リサイクルポリエステル糸はリサイクル素材の国際認証「GRS認証」を取得。SDGsに沿った、環境に優しい素材を採用されている。

新ユニフォームは12月28日(土)より静岡競輪場で開催される「寺内大吉記念杯競輪」において出走選手が先行着用し、2024年12月31日(火)を節初日とする開催から着用いする。

■新ユニフォーム特設サイト: https://keirin-new-uniform.jp/

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