5年前や10年前……。少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘!」。今回は、2022年12月にYouTubeへ投稿された「無限プール」のジオラマを作る動画を紹介します。美しくも不気味な出来栄えが反響を呼び、記事執筆時点までの間に46万回以上表示され、3万6000件を超える“高評価”を集めています。
“The Poolrooms”を再現していく
動画を投稿したのは、水生生物とタラソフォビア(海洋恐怖症)をテーマにしたジオラマ作りの動画を公開しているYouTubeチャンネル「Thalasso hobbyer たらそほびや」。以前は悲しいバックストーリーを持つ水棲クリーチャーのジオラマも話題になりました(関連記事)。
今回はThe Backrooms(※)の「Level 37: “The Poolrooms”」をモデルにした「無限に続くプール」のジオラマを作成。まず、発泡スチロールのボードをカットして接着し、プールとなる構造を組み立てます。
※本来は廊下、階段、ロビーなどの、移動のために使われる人工的構造物を指す建築用語だったものの、「無人だとなんとなく不気味」に感じるという声が海外で掲示板を中心に広まりネットミーム化した「リミナルスペース」という概念をもとに派生したコンテンツ。「Level 37: “The Poolrooms”」は神殿の回廊が水に沈んだかのような構造のプールが延々と続く、The Backroomsの中でも人気のレベル
“合わせ鏡”で無限を表現
“無限”の演出に使うのは2種類の鏡。いわゆる“合わせ鏡”の要領で無限に続くプールを表現するわけですが、鏡の間に撮影するカメラを置くとそれが写り込んでしまいます。
そこで、奥には普通の鏡をセットし、手前には向こう側が少し透けて見えるハーフミラーをセットします。これにより、ハーフミラー側から撮影するとカメラが写り込むことなく「無限のプール」を撮影できるというわけです。
レジンで水を表現する
ただし、問題は鏡のところに境界線ができてしまうということ。そこで、この境界線が目立たないようにジオラマをデザインします。具体的には、プールの底面や側面、天井にタイル張りのような筋を入れることで、鏡による境界線を気にならなくしてしまいます。
筋を入れたパーツを組み立てたら、側面から半透明の窓を通して照明の光が入るようにします。そして、奥側の鏡を設置した後に手前側の下半分を透明な板でしっかりふさぎ、水を表現するように着色したレジンを流し込みます。
レジンが固まったところで手前側の板を外し、“水”の表面には別の素材で波打つ表現を加えます。
不気味すぎる「無限のプール」の深淵には……?
手前側をふさぐ板をプールの断面と同じ形にくり抜き、そこへハーフミラーを貼り付けると……「無限のプール」が完成。
ハーフミラー側から内側をのぞくと、プールが果てしなく奥へ続いているように見えます。なんとも不気味だ……。
カメラの向きを変えて撮った映像が少し流れたあと、「動画はこれで終わりです。視聴を終了してください」というテロップが。しかし、まだ動画の残りが2分以上あり、いかにも何か起こりそうです。
投稿者は、撮影していた部屋と「無限のプール」を収めた箱の照明を切って立ち去りますが、その後、箱が動きだします。そして、箱が勝手に開き……この続きは動画で確認してみてください。
「不安感がすごい」「不気味なのに落ち着く」
ていねいな製作作業が作り出す美しさと不気味さに、コメント欄では「鏡だとわかっているのに、込み上げてくる不安感がすごいです!」「不気味なのに落ち着く雰囲気がたまらない……」「丁寧なお仕事、本当に釘付けになります」と多くの称賛が。また、「最後ぞわっとしました!」「思わずおおっと声が出てしまいました!」と衝撃のラストに恐怖する人も見られました。
動画提供:YouTubeチャンネル「Thalasso hobbyer たらそほびや」
“無限に続くプール”のジオラマ
「Thalasso hobbyer たらそほびや」の作品
動画提供:YouTubeチャンネル「Thalasso hobbyer たらそほびや」