今年は「いくら」が流行りなのか?12月17日より「松屋」と「すき家」の2大牛丼チェーンが、「いくら丼」(各980円=税込=以下同)を期間限定で販売開始した。示し合わせたようにまったく同じ日に同じ商品を発売するなんて、これは食べ比べするしかないということで、さっそく両店舗へ出かけた。

 まず向かった「松屋」は、2020年に250店舗で限定販売していた幻の海鮮系メニュー「いくら丼」を今回は全国展開させたという。ラインナップは並盛のほか、「2倍盛いくら丼」(1480円) 、「たっぷり3倍盛いくら丼」(1980円) 、「北海道産鮭のほぐし身使用 鮭いくら丼」(1280円)と全4種類が用意されている。

 松屋の「いくら丼」(写真左)は、丼ぶりの半分程度にいくらが盛られ、残りのスペースは刻みノリとネギが埋めている。いくらの粒は少し小さめに感じたが、弾力はあってプチプチと弾ける食感が良い。また、いくらはしっかり味付けされ、いくら本来の旨みとしょっぱめな味わいで白ご飯が進む。正直、いくらの量に寂しさを感じなくはないが、全体を混ぜて食べればノリの磯感やネギのシャキシャキとした食感も相まって、物足りなさを感じることはなかった。

 続いて「すき家」はというと、「いくら丼」がメニューに登場するは今回が初だといい、濃厚な甘みの天然いくらをたっぷり盛り付けたのが特徴。メニューは通常のもの(写真右)に加え、ご飯が見えないほどたっぷりいくらを盛った「メガいくら丼」(2190円)、同チェーンの定番であるまぐろのたたきを合わせた「いくらまぐろたたき丼」もラインナップされている。

 いただいてみると、「松屋」に比べていくらの粒が大きく、量的にも「すき家」の方が多く感じた。その弾力は「松屋」ほど強くはないものの、噛んだ時に溢れるみずみずしさは「すき家」が上だ。そして、いくらの味付けは天然の甘みを引き出すためか控えめなものになっているが、「松屋」と同じく別皿でわさびが提供されるので、そこに醤油を垂らして味の調整は可能だ。

 以上が各店の感想だが、コスパで考えると公式アプリで50円引きとなり味噌汁も付いてくる「松屋」に軍配。ただ、いくらの食べ応えで選ぶなら「すき家」。ご飯の進み具合でいえば「松屋」、記者の個人的な味の好みでいえば「すき家」といったところだろうか。

小林洋三

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