角川大映スタジオ、Brompton LED処理技術とSony Crystal LED VERONAでバーチャルプロダクションを強化

株式会社角川大映スタジオが、最新鋭の映像制作スタジオ「No.Cステージ」を公開した。この最先端のバーチャルプロダクションスタジオでは、ソニーのCrystal LED VERONAを駆動するために、Bromptonの4K Tessera SX40 LEDプロセッサーおよびTessera XD 10G分配ユニットを採用した。

これは、先進的なLEDディスプレイ技術への重要な投資を示しており、インカメラ視覚効果(VFX)の分野でスタジオの能力を向上させることを目的としている。この技術革新により、映画、コマーシャル、その他のクリエイティブなプロジェクトにおいて、没入感のある高品質なバーチャル環境の創造が可能となる。

KADOKAWAグループの一員である角川大映スタジオは、次世代バーチャルプロダクションサービスを強化するため、幅15メートル、高さ5メートルのソニーCrystal LED VERONAのLEDウォールを導入予定としている。

この没入型LEDパネルは、Bromptonの4K Tessera SX40 LEDビデオプロセッサーとTessera XD 10Gデータ分配ユニットによって駆動され、グリーンスクリーンを不要にし、バーチャル環境のリアリズムを向上させるインカメラVFX撮影のためのダイナミックで柔軟なプラットフォームを映画制作者に提供する。

BromptonのLEDビデオプロセッサーは、大型LEDディスプレイにおいて、シームレスな映像制御と色精度を確保する。このディスプレイには革新的な電動ウインチシステムを採用しており、垂直方向の調整が可能なためコンテンツ制作における柔軟性が向上しているという。この適応性は受賞歴のあるスタジオのクリエイティブ・アート部門によってさらに強化され、現実のセットデザインとバーチャルアセットを巧みに統合して、一体感のある芸術的な環境を創り出している。

また、先進的なバーチャル・プロダクション環境には、高精度なカメラ・トラッキングを可能にするMo-Sys StarTracker Max、リアルタイム・レンダリングと複雑なシミュレーションを可能にするNvidia RTX 6000 Adaグラフィックカードを搭載したUnreal Engine 4.27〜5.3、そして多様な制作ニーズに対応する滑らかで高品質なビデオ再生を実現するSony PCL ZOET 4システムが含まれている。

角川大映スタジオのテクニカルディレクターであるBilly Rameau氏は次のようにコメントしている。

Rameau氏:6K解像度のSony Crystal LED VERONAパネルとBrompton Tessera SX40 LEDプロセッサーを組み合わせることで、比類のない色補正、正確なフレームストア機能、そしてStreamDeckコントローラーを介したカスタムプリセットによる迅速な調整ができるようになりました。信頼性と安定性を重視し、さまざまなLEDパネルプロバイダーにおいて卓越した性能を発揮するBromptonのLEDプロセッサーを採用したことで、角川大映スタジオはハイエンドなバーチャル・プロダクションの要求に応えることが可能となりました。

角川大映スタジオは、技術革新に加えて持続可能性への取り組みも重視している。Sony Crystal LED VERONAパネルをバーチャルセットに活用することで、従来のアートセット廃棄物を最大50%削減し、温室効果ガス排出量の削減を目指している。これにより、KADOKAWAグループのより広範な環境目標を支援している。こうした省エネルギーシステムの導入は、気候変動への対応と環境に配慮した制作手法を推進するスタジオの姿勢を反映している。

スタジオは床面積550平方メートルで、高さ8メートルの天井を備えており、多様な制作ニーズに対応できる十分なスペースを提供。さらに、100Vおよび200Vに対応する強力な180kWの電源設備を備えている。

角川大映スタジオは現在、プロモーションビデオやコマーシャルなど、高品質な商業コンテンツの制作に注力している。しかし、同スタジオは長編映画やグローバルなOTTコンテンツへの展開も視野に入れており、バーチャル・プロダクションの専門技術を活用して国際的な視聴者向けの魅力的なコンテンツを創出することを目指しているという。

角川大映スタジオは、現実とバーチャルの世界を融合させることで、革新的で視覚的に魅力的な映画体験を通じて新たなストーリーテリングの形を再定義しようとしている。

同社の小林壯右取締役は次のようにコメントしている。

小林取締役:これらの新しいサービスと技術をお客様に提供できることを大変嬉しく思います。最先端の設備と信頼性の高いBrompton Tesseraプロセッサーを活用することで、創造性と技術的卓越性を実現するためのプラットフォームを提供します。私たちの目標は、観客を魅了し、バーチャル・プロダクションの新たな基準を打ち立てる比類のない高品質な制作物を提供することです。

BromptonのAPACオペレーション・ディレクターであるElijah Ebo氏は次のようにコメントしている。

Ebo氏:東京にある角川大映スタジオで、これほど活気あるパートナーの皆様と協力できることを大変光栄に思います。当社のLED処理技術がスタジオのSony Crystal LED VERONAパネルとシームレスに統合され、角川チームによって巧みに運用されている様子は非常に感動的です。これにより、現代で最も先進的なバーチャル・プロダクション環境の一つが実現されています。業界で創造性の限界に挑み続ける角川大映スタジオの成功に貢献できることを非常に楽しみにしています。