「その道に行くなら頑張れよ」
――親父「も」カタギじゃなかったということは、やはり熱海さんも……?
今はカタギですから安心してください(笑)。
地元で暴走族をやっていて鑑別所に入ったりもしてたんですが、そういうヤツにはスカウトが来るんですよ。だから、10代で出入りするようになり、そのままゲソつけました(編註:組織に入るの意)。父とは所属組織が反目(対抗組織)でしたが、「その道に行くなら頑張れよ」と言ってくれていました。
20代半ばで、ついていたアニキが破門されたことをきっかけに、自分も組の札をおろしました。それから事件をおこして、長い懲役に行き、30代後半でカタギになって、それ以外はずっとすねかじりでまともに働いたことがありません(笑)。
――映画みたいな世界ですね。刺青の絵柄はご自身で決めるのでしょうか?
先生と相談しながらですね。昔は彫師が人を見て決めてたみたい。俺も10代のときにお願いした先生には「あんたは面散らし(編註:おかめ、ひょっとこ、鬼、般若、天狗、狐などの複数の面を配置した刺青)だな」って言われましてね。結局、変えてもらったけど、今思えば俺に合ってたかもしれないな……。
に続く
取材・文/宿無の翁 写真/わけとく
協力/H&Ms 原宿スタジオ(https://www.instagram.com/masashi_tattoo/)