Vol.03 次世代のメディア「Lexar CFexpress 4.0 Type B Diamond 1TB」をNikon Zシリーズの8.3K RAW動画で試す[Lexar’s Memories]

Lexar CFexpress 4.0 Type B Diamond 1TBの発表


LexarはCES2024にて次世代の規格CFexpress 4.0対応のカード
「Lexar CFexpress 4.0 Type B Diamond 1TB」を発表した。
今回はこのカードを8K RAW動画を収録可能なNikon Z9とZ8で検証する。

Lexarは1996年に設立された会社で、デジタル記憶メディアを
製造販売している。長く映像や写真をやっている方は
一度はお世話になったことがあるだろう。
私もCFastカード時代に使用しており、特にトラブルは記憶になく信頼がおけるメーカーの1つだ。

もちろん、現代のハイスペックなカメラに採用されている
CFexpressカードも製品化している。

CFexpress 4.0とは

今回試す「Lexar CFexpress 4.0 Type B Diamond 1TB」だが、そもそもCFexpress 4.0とはどんな規格だろうか。

この規格は、PCIe 4.0インターフェースとNVMe 1.4プロトコルに基づいており、従来のCFexpress 2.0と比較して2倍の速度向上を実現。最大4GB/sの転送速度(理論値)で、8K動画や高解像度RAW写真の高速書き込みが可能となっている。また、従来のCFexpress 2.0との下位互換性も確保されている。

CFexpressカードの選び方

CFexpressカードを選ぶ際のポイントは、「書き込み速度」「連続した書き込み速度の維持」「低発熱」の3点に注目すると良い。

キャッシュ容量が少ないと、書き込み速度が低下し、記録が停止してしまう可能性がある。Lexar CFexpress 4.0 Type B Diamond 1TBはVPG400規格に認定されており、400MB/sの最低持続書き込み速度が保証され、カードへの連続的な高速書き込みが可能だ。

私的に最低持続書き込み速度を保証しているカードは信頼ができる。また、CFexpressカードの発熱は非常に大きく、カメラの熱停止の要因の一つとなることがある。初期のカードは特に発熱が大きかったものの、最近のカードは発熱を抑える設計が施されているものが多くなっている。

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過酷な環境下での連続書き込みを検証


さて、CFexpressカードに関する前知識はこの辺にして、
いよいよLexar CFexpress 4.0 Type B Diamond 1TBの検証に入る。

実はこの記事の依頼を受けた際、使用するカメラはNikon Z9と指定されていた。
しかし、Z9は放熱性に非常に優れており、発表時のキャッチコピーが
「UNSTOPPABLE」というほど、停止しないカメラだ。

一方、Z9を小型化したZ8は放熱に関して少しシビアで、
熱による停止が発生することもある。そこで、より過酷な環境での
テストとして、Z8でも併せて検証を行った。

Nikon Z9 / Z8は8.3K60PのRAW動画を撮影できる。
画質は高画質と標準画質から選択できるが、今回はなるべく厳しい条件で
検証するため高画質で記録を行った。この条件で記録をすると
約5780Mbps(722.5MB/s)となりカメラやカードに対する負担も大きい。

1TBのこのカードで約22.5分の記録が可能だ。
短いと感じるかもしれないが、普段は8.3K30P 標準画質で撮影することが多く、
約78分記録できる。

Z9 / Z8は何段階か警告が出た後に録画を停止する。
まずカードが熱くなると「Hotcard」、その後3段階の熱警告が出て
最終的にカウントダウンが始まり停止する。

検証結果

計測の結果は下記の通りである。Z9 / Z8共にカードがフルになるまで
問題なく記録をすることができた。まだまだ余裕そうだったので
間髪入れずにフォーマットをし、熱を持った状態で再度録画を開始した。

結果Z9では125分、Z8では89分連続して記録することができた。
Z9では1度も警告が出ず2時間以上の記録ができたため記録を終了した。

カメラ別の検証結果

項目
Z9
Z8
連続録画時間 125分 89分
Hotcard 22分
CameraHot 黄 36分
CameraHot 赤 50分
CameraHot High 66分
備考 熱停止せず 89分で停止