とんてき専門店「鳥山」の大盛りメニューの名前と説明がおかしい!「破壊神」とか「神」ってなんだよ! でも最高!

肉といえば大抵の人は「牛肉」のことを指すと考えるだろう。焼肉にしてもステーキにしても、代表は牛肉であり、豚肉・鶏肉がそれに続く。しかしながら、東京・新橋の「鳥山」に牛肉はない。名前に「鳥」とあるのに、鶏肉すらないのである。そう、豚肉を食わすお店なのである。

こちらの基本は、大判の豚肩ロース1枚150グラムの定食。最大7枚まで可能で、1枚増えるごとに名前が変わるのだが、そのネーミングは世界的人気を誇るあの漫画にあやかっており、4枚目以降のメニュー説明がおかしいのである。でも最高だからOK!

・メニューの名前と説明がおかしい

このお店は、以前紹介したポークステーキ専門店「マロリーポークステーキ」系列の新業態のお店で、2024年6月に新橋駅前ビル1号館にオープンしている。

メニューはマロリーポークの賄い(まかない)から生まれたもの。日々の賄いに磨きをかけていった結果、「この美味しさをお客さんにも」ということで出店に至ったそうだ。

何度か店の近くを訪ねていたのだが、いつも昼時は店前に行列。この日も常時5~10人程度が並んでいる状態だった。

ランチ激戦区の新橋、美味しいお店が多い新橋駅前ビル1号館にあって、毎日行列ということは、その美味さが評価されている証。こりゃ、大いに期待できるぞ。

ちょうど昼頃に訪ねたもんだから、案の定、入店まで待つことになった。店前には折り返し地点を示す看板がある。

このイラストは、『ドラゴンボール』のウーロンじゃないか。この顔は神龍(シェンロン)にアレをおくれと叫んでるシーンじゃないのか? お店の人は、作品の相当なファンと見える。

10分くらい待って入店。メニューを見ると、ランチはすべてご飯と味噌汁のついた定食スタイル。ソースはウスターソースをべ―スにした「とんてき」、醤油とすりおろし玉ねぎがベースの「生姜焼き」、それと赤味噌を使った「豚味噌焼き」である。

異なるソースを合い盛りにした「二色」と「三色」もあるぞ。

さらに裏面を見ると、豚肉の追加枚数に応じたメニューがされている。1枚から3枚はそれぞれ「超(スーパー1)」「超2」「超3」。

4枚目からちょっとおかしくなって、名前は「神(ゴッド)」。料理説明はこうだ。

「神話にでてくる神の形態。気の性質は破壊神など神々の領域となり一般人には気を感じ取ることはできない」

料理の説明になってねえ! 「気」って、ドラゴンボールやないかい!!

さらに5枚目は「ブルー」だ。スーパーサイヤ人だろ、それ。説明はこう。

「ゴッドの状態でスーパーサイヤ人に変身するとブルーになる。米も沢山食べて欲しいから、このサイズからおかわりも無料でいい」

もはやドラゴンボールからの引用を隠していない。「おかわりも無料でいい」ってちょっと投げやりじゃないの?

その先は6枚目は「暴食の極意 兆(きざし)」は「神の領域の前ぶれである」とあり、7枚目のチャレンジメニュー「暴食の極意 極(きわみ)」は「全身のあらゆる部位が自動的に判断して回避や攻撃を行うという究極の戦闘技術」と記されている。

全然料理の説明になってないけど、好きですよ。お店の名前が「鳥山」だから、鳥山明先生にちなんでこうなったのかな? そう思ってしまうほど、先生と作品に対するリスペクトを感じる。

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・ご飯は大盛りで

実際の料理も最高だ。肉を食いたい欲求を確実に満たしてくれるボリュームメニューである。注文したのは、「合盛定食 二色」(税込1610円)を生姜焼きと豚味噌焼きでお願いした。

豚肉はマロリーポークと同じく真空低温調理技術を施している。そのため分厚くても柔らかく、なおかつ肉汁たっぷりでジューシー。その豚肉に研究を重ねたソースを絡ませているのだ。

さて、生姜焼きは豊かなみりんの風味と、華やかな生姜の香り。甘さと辛味のバランスがよく、ひと切れでご飯2口は余裕で進む。これ1枚だけでご飯1膳ペロリだ。それほど高いポテンシャルを持っている。

一方の味噌焼きは、まろやかな赤味噌の甘さで、肉の脂との相性がとても良い。仮に生姜焼きを「攻」としたなら、味噌焼きは「守」である。交互に食べることで、それぞれの美味しさがより一層引き立つ。

どう食べてもご飯1膳では足りなかった。大盛り無料であることを見逃してしまったために、私は終盤戦にご飯のセーブに苦労してしまった。私と同じ轍を踏まないためにも、ご飯は必ず大盛りで頼むように。