ペレスのレッドブル離脱に惜別の声続々。F1初王座は「君の助けなしでは起こり得なかった」とフェルスタッペン……同郷仲間も「誇り持って」

 セルジオ・ペレスのレッドブル離脱が、ついに発表された。ここ最近は苦戦が続いていたものの、レッドブルのF1ワールドタイトル獲得に何度も貢献してきただけに、ドライバー仲間からも惜別のコメントが多く寄せられた。

 ペレスは2021年にレッドブルに加入。前年にはレーシングポイントでF1参戦10年目にして初優勝を挙げただけでなく、安定して上位入賞を記録してランキング4位に入っていたということもあり、マックス・フェルスタッペンの隣でコンスタントに高いパフォーマンスを発揮できるドライバーを探していたレッドブルにとってはうってつけの人材だったとも言える。

 ペレスは2021年に1勝を挙げてランキング4位に入ると、2022年は優勝2回、表彰台11回でランキング3位、2023年は優勝2回、表彰台9回でランキング2位となり、レッドブルのコンストラクターズタイトル連覇(2022〜2023年)に貢献した。

 一方で2024年はレッドブルの戦闘力低下の煽りも受けて成績が低下。フェルスタッペンがそれでも強さを見せてドライバーズタイトルを手にした一方、ペレスはランキング8位と低迷してチームがコンストラクターズタイトルを逃す要因となってしまった。

 最終的にはパフォーマンスを落としてチームを去る事になったペレスだが、フェルスタッペンはペレスの働きに感謝していると語る。特にふたりのハイライトと言えるのが2021年の最終戦アブダビGP。当時フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンが激しいタイトル争いを演じていたが、ペレスは戦略違いのハミルトンをコース上で巧みにブロックしてレースの流れを変え、フェルスタッペンが王座を獲得する一助となった。

 フェルスタッペンは当時のことを回想しながら次のように語った。

「彼は僕にとって素晴らしいチームメイトだった」

「この(初王座時の)写真も、彼の助けがなければ起こり得なかったものだ。だから彼にはいつも感謝している」

「彼はいつも本当に楽しくて、率直で正直な人だ。そういったことを言えるチームメイトは多くない。チームメイトとしてだけではなく、ひとりの人間としても、チェコ(ペレス)には感謝している。一緒に仕事ができてよかった」

 またSNSでは、フォースインディア/レーシングポイント時代の2シーズンでペレスとチームメイトだったエステバン・オコンもコメントを寄せ、元同僚を労った。

「チェコ、グラシアス ポル トド(スペイン語で感謝の意を示す)。君からは多くのことを学んだし、何年もの間一緒にレースができて最高だった。幸運を祈っている。またすぐ会えるさ。ノス ベモス プロント(スペイン語で“また近いうちに会いましょう”の意)」

 また同郷のメキシコ人ドライバー仲間からも、ペレスのこれまでの功績を讃えるコメントがSNSで次々投稿された。

 2013年〜2016年にかけてF1に参戦したエステバン・グティエレスは、「国全体を代表することは大きな責任があり、絶え間ない挑戦でもあり、自分たちの力を世界に示すチャンスでもある。メキシコを高みに押し上げてくれて、ありがとう!」と感謝。インディカードライバーのパトリシオ・オワードも「君の心が、君がこれまで成し遂げた全ての事に対する誇りで満たされていることを願うよ」と述べた。