この画像は、クリスマスシーズンを前にNASA(アメリカ航空宇宙局)が公開したもので、小マゼラン銀河にある星団NGC 602が映っています。小マゼラン銀河は、地球から約20万光年の距離にある、天の川銀河から最も近い銀河の一つです。

NGC 602の星は、太陽を含めた天の川銀河にある多くの星と比べて重い元素が少なくなっています。宇宙が誕生した直後は水素やヘリウムなど軽い元素しかなく、重い元素は恒星の中心部での核融合反応や超新星爆発などによって合成されました。NGC 602の星は、まだ重い元素が少なかった頃の宇宙にあった星に似ています。

画像は、チャンドラX線望遠鏡のX線画像と、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線画像を組み合わせたものです。

画像では濃い塵の雲の輪郭がオレンジ色や黄色、緑色、青色に輝いており、クリスマスリースのようなリング状に見えています。この塵の雲は、ウェッブ望遠鏡がとらえたものです。一方、赤はチャンドラ望遠鏡がとらえたX線で、リースを照らす若い大質量星を示しています。

(参考)
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた小マゼラン銀河の星団NGC 602
小マゼラン銀河の若い星団NGC 602に侵食され空洞になった星雲N90(ハッブル望遠鏡の撮影画像)

Image Credit: X-ray: NASA/CXC; Infrared: ESA/Webb, NASA & CSA, P. Zeilder, E.Sabbi, A. Nota, M. Zamani; Image Processing: NASA/CXC/SAO/L. Frattare and K. Arcand

(参照)NASA、Chandra X-ray Observatory