週刊少年ジャンプ連載中のスポーツ強豪校に通う高校生たちの青春部活ラブストーリー『アオのハコ』。部活に打ち込むひたむきな姿と“誰かを好きになった時”の心の機微を繊細に描き大人気の本作、猪股大喜役の千葉翔也さんと、鹿野千夏役の上田麗奈さんに本作の見どころ、2クール目への期待などお話を伺いました。
――放送がはじまり反響をどの様に感じられていますか?
千葉:1話からSNS上で盛り上がったり配信サイトで上位に入っていて嬉しかったです。他の現場でもスタッフの方が観て面白かった、または千夏が可愛い、と声をかけてくださる事が多くて、改めて作品の期待値の高さを感じています。今後は盛り上がる一方なので、今は少しずつ登場人物のキャラクター性が広がっていけば良いなと思っています。更に沢山の方に見てほしい作品ですね。
上田:身近な大人の皆様から「こんな学生生活を送ってみたかった!」という声や、「大人になった今でも、大喜達のように何かに一生懸命になったり、成長したりすることができるはず!」といった熱い感想をいただくことが多いです。
キャラクター達のきらめきがアニメを通して伝わっているのが、とても嬉しいです。
――演じられた役柄について最初の印象からどの様に印象が変化していったか。どんどん好きになってきた所。
千葉:男子高校生らしい喜怒哀楽を持つ人物なので、共感しながら演じていました。悩むより先に前に進む力がある所が何より尊敬している所。それでいて悩む時はしっかり深くまで降りて行って、考える力もある所がすごいと思います。落ち込むことができるからこそ周囲を思いやる思慮深さにつながっているし、ポジティブさが乱暴にならないのが素敵だなと毎回感じます。
上田:子供っぽいところやSっ気があるところ、何でもサラッとこなしていそうに見えてその実努力家なところは序盤からも見えていましたが、千夏先輩だって不安になったり緊張したりすることもあるといいますか…プレッシャーを感じて立ち止まってしまう瞬間もあるんだということがだんだん分かってきて、より魅力的に感じました。
――上田さんが演じる千夏の好きな所を教えてください。
千葉:読者が感じている捉え方に正解がない事が正解のような難しいキャラクターだと思うのですが、そこに1つの答えを提示していると思います。
大喜目線では千夏はミステリアスな人だけど、本人としては軸があって1人の人間なんだという事がアニメでは表現されている気がします。セリフの掛け合いをしていると、用意されたものではなくてその場で生まれた会話のようなリアルタイム感が本当に楽しいです。それでいて千夏のかわいらしいシーンはバシッと間違いなく決まっているのがすごいです。
――千葉さんが演じる大喜の好きな所を教えてください。
上田:掛け合っていて凄く楽しい所ですかね…! 千葉さんの中で「大喜はこういう人」という確固たるものがあるイメージなんですが、それ故かいつどんな大喜を聞いても「大喜だ…!」と思わせられる説得力がありますし、相手の言葉を聴いて、心を動かして、その都度お芝居の形を変えている印象がある方なので、次どうくるかわからないワクワク感があるのも素敵な所だなと思います。
――アニメ「アオノハコ」のストーリー面での魅力、映像面での魅力をどんな所に感じていますか?
千葉:何より心理描写の伝え方が繊細で好きです。目線や口の開閉などに表れているところが現実味があるし、その中で出てくる言葉が葛藤などを内包しているところ。
ストーリーは、ドラマチックさや予想外の展開が起きる理由が全て登場人物が素直に動いた結果なのが良いなと思います。
大喜だけでなく、特に千夏や雛の心が動いた瞬間の表情には目を見張るものがあると映像面に感じますね。バドミントンのシーンがしっかりスピーディにわかりやすくラリーをしているので、大喜(あとは針生も)日々精一杯頑張っているスポーツが視覚的にも伝わってきて嬉しいです。
上田:スポーツへの熱量に重なるように恋愛が絡んできて、全体的な体温の高さを感じます。
そして甘酸っぱさとほろ苦さのバランスが絶妙で。常に上手くいくわけでも上手くいかないわけでもないヒリつきが癖になるなと、個人的に思っています。
映像は光の入り方がエモーショナルで、一瞬一瞬が輝いて見えるシーンが多いように感じました。余韻もたっぷりと、間を贅沢に使っている印象ですが、それが恋愛面の進みがスローペースな今作にマッチしていますよね。
日常パートの色味やタッチには、ふわっとあたたかい雰囲気もあって。キャラクター達の持つあたたかな心がより伝わってくるように思います。
――今後の展開(第2クール)でどんなことを期待して欲しいですか?
千葉:これまでもドキドキしながら観ていたのですが、振り返ってみるとまだまだこれから。展開を急いで進めていく作品じゃないので、ようやく人物像が見えてきたのかなと。非日常的なイベントやピンチの時こそその人の本質や魅力が出てくると思うので、それぞれのキャラクターの心情にご注目ください!具体的にはとにかく文化祭が最高です。
上田:ゆっくり進んでいた大喜と千夏との関係に、雛がより大きく絡んでくる第2クール目。その中で大喜と千夏が何を思い、どう行動するのか……特に、大喜の心の揺れ動きに注目していただきつつ、今後も楽しんでいただけますと幸いです。
――高校時代に一番青春を感じた瞬間はどんなことですか?
千葉:ありがたいことに声優の養成所と大学受験を並行していて、日々忙しくて駆け抜けていたのが青春かもしれません。養成所の対外発表の為に椅子を持っていかなければならなかった日がありました。誰よりも早く登校して学校に模試の結果を提出し、その後椅子を運びながら全校生徒に逆走して歩いたのは恥ずかしくて覚えています。
文化祭でライブをやったのも楽しかったです。
上田:当時演劇部に所属していたんですが、活動場所として体育館のステージを使わせてもらっていたんです。休憩中、いつもは上げている緞帳を下げ切って、個室状態になったステージを堪能していた時がすごく楽しかったんですよね…。
同じく体育館で活動している運動部に見られることなく、ステージの上に大の字になって寝転んでみたり、天井から吊り下がった照明を眺めながら部員達とおしゃべりしたり。ゆるゆるした時間にも青春が詰まっていたなぁと思います。
<ストーリー>
中高一貫のスポーツ強豪校・栄明高校に入学する、男子バドミントン部の一年生・猪股大喜。
大喜は毎朝、朝練で顔を合わせる一つ上の先輩、鹿野千夏に恋をする。
千夏は女子バスケットボール部のエースで、校内外問わず人気の高嶺の花。
部活に恋に勉強に、大喜にとって忙しい高校生活がはじまる、そんなある日――
<STAFF>
原作:三浦糀(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:矢野雄一郎
シリーズ構成:柿原優子
キャラクターデザイン:谷野美穂
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
企画プロデュース:UNLIMITED PRODUCE by TMS
<CAST>
猪股大喜:千葉翔也
鹿野千夏:上田麗奈
蝶野雛 :鬼頭明里
笠原匡 :小林千晃
針生健吾:内田雄馬 ほか
<公式サイト> https://aonohako-anime.com/