おなじみ「ガンダム」シリーズも、第1作の放送から半世紀近くが経過しました。その最初期からの、年季の入ったファンであっても勘違いしている人が見られるポイントを見ていきます。
すっかり幼なじみだとばかり思い込んでいましたが…? 『機動戦士ガンダムI/特別版』DVD(バンダイナムコフィルムワークス)
【閲覧注意】こちらが「ホワイトベース最モテ女子」による昭和的サービスシーンです(3枚)
フラウの見方がガラリと変わる「見落としがちな事実」!
「ガンダム」シリーズは歴史が長く、ゲームなどのスピンオフに触れる機会も多いため、古参のファンでさえ思い違いしがちなことがあります。
アムロとフラウ・ボゥは幼馴染じゃない?
おなじみ「フラウ・ボゥ」は、シリーズ第1作『機動戦士ガンダム』第1話に登場するや主人公「アムロ・レイ」の家に上がり込み、差し入れたサンドイッチが手つかずな様子を見て呆れたり、彼の避難支度を手伝ったりするなど、甲斐甲斐しいまでに世話を焼いています。この距離感は「お隣さん」では説明がつかず、誰しも幼なじみと思うことでしょう。
安彦良和さんによるマンガ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、幼少期のアムロは父「テム・レイ」に連れられてコロニーを転々としていたとされ、フラウとの幼なじみ関係が否定されています。同作は一部の設定を変えた「リメイク」ですが、それでも元のアニメ版でも同じ可能性がうかがえる手がかりはありました。
まず、父テムが「ホワイトベース」内の自室に飾っていたアムロの写真は、幼いころのものではなく、つい最近のものです。さらに第13話「再会、母よ…」では、アムロの実家が地球にあることが確定しました。つまり、「宇宙戦艦に乗るなど転勤しがちな父とともに息子も転々としている」≒「フラウの家の隣に引っ越したのも最近」との解釈は可能でしょう。
もっとも、幼なじみじゃないとなると、あの距離の詰め方は逆に怖くなりますね。
F91はガンダムじゃない
劇場アニメ作品『機動戦士ガンダムF91』(1991年)の主役メカは、「ガンダムF91」という名前と思われがちです。作品タイトルもそう宣言していますからね。
が、劇中で使われている正式名称は「F91」であり、開発した兵器研究・開発機関「サナリィ」が、諸々の意図から「ガンダム」と名乗ることを却下したことが、富野由悠季監督による小説版で説明されています。
ところが、母艦「スペース・アーク」の艦長代理「レアリー・エドベリ」が、顔のデザインが似ていたことから「ガンダムF91」と名付け、さらに主人公「シーブック・アノー」も乗っかったという流れです。
そのような設定を強調するかのように、中核となるバイオコンピュータを開発した母「モニカ・アノー」は、一貫して「F91」と呼んでいます。逆にいえば、「ガンダム」の名前は軍や兵器開発組織ではなく、人々の希望から出てくるものだと示しているのでしょう。
シロー・アマダは倍返しできてない
OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の主人公「シロー・アマダ」が叫ぶ有名なセリフのひとつ「倍返しだぁーっ!」は、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズでもおなじみで、愛機の「ガンダムEz8」が頭部バルカン砲や100mmマシンガンなどを一斉射撃する際などに聞かれてきました。
が、オリジナルの劇中では、実は一発も当たっていません。強敵「ノリス・パッカード」が操る「グフ・カスタム」の進路を予測し放った際のセリフであり、その意図を読み切っていたノリスは一歩も動かず、全弾が外れてしまいました。
とはいえ、「スパロボ」シリーズでは巨体のモビルアーマー「アプサラス」をも景気よく撃破しており、シローも経験を積んで「倍返しだぁーっ!」に磨きをかけていったのでしょう。