「2024年のヒット商品はこのツボを押さえていた?」買物欲を刺激する“3つのツボ”に着目!今年の消費動向をプロが徹底解説の画像一覧
2024年ももうすぐ終わり……というわけで、1年のヒットモノを振り返るあの大人気企画が帰ってきました!ヒットモノのなかでも、特に影響力が大きかった精鋭をピックアップして編集部が大賞を決定。開発者や業界のプロに取材することで、ヒットの理由を深掘りしていきます。
この記事では、今年の消費動向についてプロにお話を伺いました。博報堂買物研究所が発表した「令和の“買物欲を刺激する20のツボ”」に基づきながら、消費動向を紐解くための3つのポイントをチェックしていきましょう。
2024年の消費動向を紐解く3つのツボに着目!
教えてくれた人:博報堂 買物研究所 所長・垂水 友紀さん
商品マーケティングやビジネスモデル構築業務などを経て現職。生活者のよりよい買い物体験のためにソリューションや研究発表を行う。
“買物欲を刺激する20のツボ”とは?
博報堂買物研究所が独自の生活者調査をもとに定義。買うときに感情『LOVE』と理性『REASON』どちらで商品を選ぶか、買う気持ちを増幅させる『BOOST』か維持させる『KEEP』かの2つの軸で4つの象限に分類されている。
(広告の後にも続きます)
ツボ①【ストーリー性】シズル感のある伝わりやすいネーミング
情報過多の時代で商品名が長くなっている
──24年、博報堂買物研究所は「令和の“買物欲を刺激する20のツボ”」を発表しています。この定義から考えたとき、2024年の生活者が特に刺激されたと思うツボはありますか?
垂水 大きく3つが考えられます。まずは「ストーリー性」です。24年ヒットしたモノは、アイテム自体のストーリーがしっかりと伝わる商品名が多いように感じます。
──「空気でできたソファ」や「本に寄り添う文鎮」などですね。
垂水 はい。商品名を見ただけで魅力が伝わるような、言い換えれば、シズル感のあるネーミングは、今の生活者にとって重要なポイントなのかなと思います。最近、様々なブランドのPB(プライベートブランド)も商品名が長くなっています。こだわりや機能を商品名で伝えようとする傾向が強まっているのではないでしょうか。
無印良品の「空気でできたソファ」
コクヨの「本に寄り添う文鎮」
──少し前は、ダジャレっぽいというか、ひっかかりのある短いフレーズの商品名が多かったですね。
垂水 インパクトを与えて商品に興味を持ってもらい、商品を手に取ったり詳しく調べたりしてほしいという意図があったと思います。ですが、今は情報過多の時代で、素通りされていく情報がたくさんあります。たとえHPに熱いこだわりが書かれていたとしても、商品を見て、ちょっと気になったぐらいでは、HPまで見てもらえません。
──確かに、手間だと感じます。
垂水 生活者にそんな傾向があるからこそ、ストーリーをわかりやすく端的に伝えることが、商品を売る上で重要になってきているのかなと思います。