2024年のMotoGP王者であるホルヘ・マルティンは、ドゥカティ陣営からアプリリアのファクトリーチームに移籍。テストで2025年のプロトタイプバイクを試したが、大きな手応えを得たようだ。
ドゥカティ陣営のプラマックで初タイトルを獲得したマルティンだが、マルク・マルケスとファクトリーチーム入りを争った末に、アプリリアへの移籍を決断した。
バルセロナで行なわれたポストシーズンテストで初めてアプリリアのバイクに乗ったマルティンは、77周を走行。トップのアレックス・マルケス(グレシーニ)からは約1秒遅れの11番手となった。
契約上、マルティンは年が明けるまでこのテストについて詳しくコメントすることはできない立場にあるが、アプリリアがこのプロトタイプバイクで大きな一歩を踏み出したと感じていることを認めた。
「マシンのことはあまり言えないけど、僕の表情はその場にいたみんなに見てもらえたと思う」
マルティンはmotorsport.comにそう語った。
「僕はハッピーだったし、アプリリア以外ではこんなに幸せには感じなかったと思う」
「新しいパッケージはとても興味深いと思うし、マシンの飛躍はここ数年で最大だ。ポテンシャルは高いし、とても良さそうだ」
バルセロナのテストで使用されたアプリリアのマシンは、来年2月初めのプレシーズンテストでセパンに持ち込まれるマシンの初期バージョンであるという。
王者であるマルティンの獲得は、過去3年MotoGPを支配し、2024年には20戦で19勝という圧倒的な強さを誇るドゥカティとの差を縮めるべく、アプリリアがあらゆる分野で進めてきた社内再編の集大成だと言えるだろう。
「アプリリアは全力を注いでいる。僕は直にそれを見てきたんだ」
そうマルティンは付け加えた。
「彼らがいかに僕を愛してくれていて、僕のために何をしてくれるかに気づいた。しかし、彼らはチャンピオンを抱える責任も感じている」
「僕たちはみんな勝ちたいんだ。しかし、そのためには完璧な戦略を使い、適切な仕事をしなければならない」
アプリリアは2024年、マーベリック・ビニャーレスが第3戦アメリカズGPで勝利するなど好調だったが、シーズン後半は若干低迷していた。これについてどう思うかと聞かれたマルティンは、明確な答えはないと認めた。
「今年、アプリリアはこれまで以上に良いスタートを切ったが、アラゴン以降、調子を落とし始めたのは事実だ」
「チームの外にいると、何が起きていたのかを知るのはとても複雑だ」
「マーベリックのように後方からオースティンで優勝し、その直後のヘレスで11秒以上のビハインドを負ったことを理解するのは難しいんだ」