レッドブルF1代表、ローソンと角田裕毅の二者択一は“難しい判断”「しかしポテンシャルを考慮するとリアムはより強くなる」

 レッドブルは12月19日(木)、2025年のドライバーとしてリアム・ローソンを起用することを発表。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、もうひとりの候補であった角田裕毅とのパフォーマンス差は「非常にタイト」だったため難しい判断だったと語った。

 大方の予想通り、2024年シーズンまでレッドブルのメインチームに所属したセルジオ・ペレスが離脱することが決まり、残る問題は誰が後任としてマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めるか、ということだった。

 後任候補はふたり。レッドブルの姉妹チームであるRB/レーシングブルズに所属したローソンと角田だった。角田はF1での4年目を終え、ローソンを同時期の予選順位や獲得ポイント数で上回っていた。ポストシーズンテストではメインチームからタイヤテストを担当していた。

 一方でローソンは11戦しかグランプリを経験していないものの、リザーブドライバーとして過去に2度、シーズン途中からF1マシンに乗り込みポイントを持ち帰る走りを見せてきたことから、適応能力やメンタル面での強さという点でレッドブル陣営に好印象を与えていたとされていた。

 そして結果的に選ばれたのはローソン。角田は2025年もRB/レーシングブルズからF1を戦うこととなった。この人事についてホーナー代表は次のように説明した。

「レッドブルは常に若手ドライバーに投資をして、彼らにチャンスを与え、レーシングブルズで成長させることに誇りを持ってきたと思う。リアムはチャンスを得て、限られた時間の中で我々に、2025年に向けてレッドブル・レーシングに入りマックス・フェルスタッペンの隣のシートに耐えられるだけの適切なスキルとマインドセット証明した」

 ESPNのインタビューにホーナー代表はそう答え、ローソンと角田のどちらかを起用するのは「最終的に難しい判断だった」と続けた。

「ユウキは非常に才能のあるドライバーで、最近は我々のテストで良い仕事をした。しかし最終的に全ての要素を見て、リアムが2025年にマックスの隣に座るに望ましい候補者だと感じた」

 そしてホーナー代表は、ローソンと角田のパフォーマンス差について、こう説明した。

「ふたりの間は非常にタイトだ。ユウキは非常に速いドライバーで、今は3〜4シーズンの経験がある。アブダビでの我々のタイヤテストでも非常に良い仕事をしてくれたし、エンジニアも彼のパフォーマンスには感心していた」

「しかし我々は詳しい分析をした結果、リアムが走ったレースではペースが若干良く、彼だと感じた。予選ペースもユウキと非常にタイトだったし、リアムがたった11レースしかしていないというポテンシャルを考慮すると、彼はより良く、より強くなるに違いない。それに彼はメンタル面での強靭さやタフさを見せてきた」

「リアムの多才さに関しては、いくつか印象に残っていることがある。ある状況に置かれても、彼はすぐに取り掛かる。ダニエル(リカルド)が指を骨折した後のザントフールトでのデビュー戦を思い出してほしい。アウトラップでマックスとバトルをしていたんだ」

「彼はそういう気骨あるレーサーのメンタリティを持っている。ドイツツーリングカー選手権(DTM)で1年間、アレクサンダー・アルボンとともにフェラーリのGTカーのドライビングに驚くほど早く適応し、優位に進めていった」

「そしてまた、レース運びも彼の強みのひとつだ。ホイール・トゥ・ホイールのバトルも恐れないし、必要ならホイールを擦ることさえある。彼は我々のために素晴らしい仕事をしてくれると思う」

「エンジニアたちは、今年の彼の走りを通して一緒に仕事をすることを楽しんでいる。彼は仕事熱心だしね。来年もユウキがレーシングブルズに関わることができるのは素晴らしいことだ。もちろん、彼が必要とされる場合にはいつでもスタンバイしている」