・秒速で絶賛へ
様々なレイヤーが幾重にも重なって構成されているという点は去年の「ブッシュ ド ノエル」と同様だが、今年の「ガトー オ ショコラ」には、チョコをひたすら積み重ねて超火力の砲弾にしかたかのような、有無を言わせぬ迫力が宿っている。
この世のありとあらゆる贅(ぜい)を尽くしたかのような、あまりにも……あまりにも濃厚なチョコレートの暴力。非常に分かりやすく例えるなら、『うしおととら』のラスト2巻くらい濃厚である。
もうこれ以上の最終決戦は望めないのと同じくらい、これ以上のチョコレートケーキは望めないし望まない。というか、これより濃くなったらそれはもうペンキだ。チョコの臨界を極めた結果がここにはある。
グラサージュショコラ、ジェノワーズショコラ、ムースショコラなど、様々な種類のチョコレートを重ねた「チョコレート尽くし」の一品……とゴディバの公式サイトには書かれているが、何なんだジェノワーズって。誰だよ!
ただ甘美なだけではなく、下に敷かれたフィヤンティーヌとキャラメライズドアーモンドが食感のアクセントとなり、それが全体の高級感と奥深さを底上げしているような印象である。
そしてこれも去年も書いたが、何なんだフィヤンティーヌって。小島よしおのギャグか。この1年で「フィヤ」とかいう文字を他に見たことがないんだよ。まあ、ウマいけど。
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・コスパ無視
それにしても……これで約1970円ですか。一口あたり200~300円するのでは? 日本は貧しくなっているという話は一体どこへいったんだ。
原材料を見てみると、意外なことに洋酒等は使われていないらしい。そこでかなり迷った末、4歳の娘にも少し与えてみることにした。子供には贅沢すぎるがこれも食育だ。
どう? おいしい?
4歳児「おいしすぎる……」
おいしすぎる。
結局、私の分はすべて奪われた。その量でいつも食べてるアンパンマンのチョコが何個買えると思ってんだよ。大変危険ですので、皆さんはあまりゴディバの味を幼児に覚えさせない方がよろしいかと存じます。