大友克洋による名作マンガ・アニメ『AKIRA』について、「AKIRA」が主人公だと勘違いしている人が多いようです。
4Kリマスター版『AKIRA』ビジュアル (C)1988マッシュルーム/アキラ製作委員会
【画像】え…っ? 「観てないのに知ってる」こちらが『AKIRA』バイクのかっこよすぎる決めカットです
「AKIRA」の正体は?
真っ赤なバイクが夜の高速道路を疾走するシーン――。たとえ『AKIRA』を見たことがない人でも、このイメージは見覚えがあるのではないでしょうか。
2017年にはストリートファッションの最高峰Supremeが『AKIRA』コレクションをリリースするなど、この作品が現代のポップカルチャーに与えた影響は計り知れません。
そんな不朽の名作について、実は多くの人が誤解していることがあります。それは「AKIRAは主人公の名前である」という勘違いです。
作品のタイトルになっている「AKIRA」は、主人公の名前ではありません。この物語の主人公は、暴走族のリーダーである「金田」という少年です。
では、タイトルにもなっている「AKIRA」とは誰なのか? それは、物語の中で重要な鍵を握る、強大な超能力を持っていた存在の名前なのです。
このような勘違いが起こる理由として、まずは作品タイトルに対する思い込みがあります。『ルパン三世』や『サザエさん』など、多くの作品ではタイトルが主人公の名前になっています。そのため、『AKIRA』というタイトルを見た時も、それが主人公の名前だと考えてしまうのもおかしくありません。
次に金田のビジュアルの強さです。赤いバイクと赤いジャケットという組み合わせは、『AKIRA』を代表するイメージとして世界中で認知されています。作品について語る時、このビジュアルが使われることが多いため、自然と「AKIRA=金田」というイメージが定着してしまう人が多いのかもしれません。
一方、タイトルの由来である「アキラ」は、物語の大部分において直接的には登場せず、その存在は神秘的なベールに包まれています。特に1988年に公開された映画版では、アキラは極低温保存された状態で保管されており、その超能力の痕跡や影響力は描かれるものの、生身の人物としての描写は限定的です。
「AKIRA=金田」と思い込んでおり、なおかつ未見の人はこれを機会に『AKIRA』を見てみませんか。作品のタイトルが持つ意味を意識すると、さらに楽しめるかもしれません。