女性の約50人に1人が生涯のうちに罹患するといわれる子宮体がん。しかし、その症状や予防法については、まだまだ認知度が低いのが現状です。

12月13日、アストラゼネカ株式会社が開催したメディアセミナーにて、医療の専門家による最新情報と、子宮体がんを経験した歌手の藤あや子さんによる体験談を取材しました。

早期発見が鍵を握る、子宮体がん

子宮体がんの新規罹患者数は年々増加し、2020年には17,779人に達しています。東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座の岡本愛光教授は、

「子宮頸がんは検診の導入により減少してきたものの、子宮体がんは逆に増加傾向にあります。特に50~60代での発症が多く、女性のライフスタイルの変化が大きく影響しています」

と指摘します。

また同大学の西川忠曉講師は、

「出産回数が多い女性の方が発症リスクが少ないことが、アジア人を対象にした研究で明らかになっています。さらに、初経年齢や閉経年齢が高い女性、肥満の方も発症リスクが高くなることがわかっています」

と説明しました。

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知らなかった、気づかなかった。患者調査から見える実態

アストラゼネカの患者調査(190人)によると、診断前に約7割の患者が子宮体がんについて「全く知らなかった」と回答。

また、症状があっても51%の患者が医療機関の受診まで1ヶ月以上かかっていました。受診が遅れた主な理由は「症状が子宮体がんと結びつかなかった」(55%)でした。

「不正出血は子宮体がんの最も多い初期症状です。特に閉経後の出血には要注意です」と岡本教授。

「早期発見できれば5年生存率は94.6%と非常に高いのですが、進行してからの発見では21.3%まで低下します。少しでも早く見つけることが重要です」と西川講師は強調します。