名づけるなら「ダークファンタジーエンターテインメント」!
──今回の作品の脚本や演出を経験することで、俳優としても新たな視点を獲得した感覚はありますか?
はい。俳優としてというより、人として、ですね。主演の白山力丸くんは、今回、初舞台で初主演なんです。だから、演劇に慣れていると忘れてしまっていることも、イチから伝える必要がある。「僕、こうやって人に寄り添うことができるんだ」と思いましたし、今回の演出を通じてやっと30代後半らしい振る舞いができるようになってきたのかもしれないなと思いました(笑)。
出典: FANY マガジン
──最後に、改めて『トランスミラー』の見どころを教えてください。
説明が難しい作品なんですよ。飽きるすきがないくらいに、いろいろなことを詰め込んだ音楽劇です。死生観というテーマで描いているので、一見、ダークに思えるかもしれない。でも、そこを音楽やダンス、ヒーローショーばりのアクションといったショーアップしたもので相殺していく。ほろっとしたり、キャラクターに共感してもらえるようなあったかいシーンもあると思います。
名づけるなら……ダークファンタジーエンターテインメントですかね(笑)。本編75分+カーテンコールのミニライブを日替わりで3、4曲という構成なので、劇場に来たことのない人も、ちょっと年末のイベントを楽しみに行く感覚で来てもらえたらと思います。
──多面性のある、まさに「ミラー」のような作品ですね。
そうですね! 「ヨースケコースケ」というユニットで10年一緒にやってきたサカノウエヨースケが音楽監督なんですけど、通し稽古を見て「僕らがやりたかったことの集大成になったね」と確認し合いました。自分がやりたかった音楽性、ダンス、アクション。そういったものがしっかりと詰め込まれていて、本番までに何倍も面白くなると確信しています。