KTMのMotoGPライダーであるペドロ・アコスタは、最近判明した同社の経営危機問題を受け、拠点を訪問。それにより、今後に対しての心配がいくらか和らいだようだ。
アコスタはKTMの育成ライダーとして中小排気量クラスの時代から注目の存在だった。2024年についにMotoGPクラスにデビューし、ルーキーながら好成績を残し、2025年にはKTMのファクトリーチーム昇格も決まった。
しかしそのKTMは、2024年シーズン終了後に経営危機が発覚。最近、アコスタのマネージャーであるアルバート・バレラは契約時に、KTMの財政状況が考慮されることはなかったと言及した。
マネジメントチームとアコスタはこの状況を心配していると認め、KTMから移籍する可能性も示唆するなど、陣営期待の新星との間に不協和音が聞こえてくるようだった。以前、バレラはmotorsport.comに次のように語っていた。
「契約を結んだとき、誰もこの可能性を警告してくれなかった。KTMは巨額の資金力を持つ巨人だと聞いていたので、まったく驚きだった」
「消化するのが簡単なニュースではなかった。幸いなことに、このプロジェクトはMotoGPで継続されるとのことなので、来年マシンがないという危険はない」
「我々が気になっているのは、どのような条件で参戦できるかということだ」
「5月に我々は、数千万ドルの利益を生み出し、ドゥカティと戦える強力なポジションにあるという明確なメッセージを持つ、勝てるプロジェクトと契約を結んだ」
「しかし今はそうではない。突然、半年ですべてが変わってしまい、何が起こったのだろうと思っている。それは我々が懸念することだ。明白なことを否定するのは馬鹿げている」
「ペドロも私も、彼の家族も側近も、現在の状況を心配しているのは明らかだ」
しかし、アコスタ側はKTMと直接面会して会話することで、その心配をある程度払拭できたようだ。バレラは、アコスタとオーストリアを訪れたときのことを、次のように説明した。
「ペドロと私でオーストリアへ向かって、MotoGPにおけるKTMのプロジェクトの真の状況を確認する機会があった」
「会社がこういったデリケートな状況にあるにもかかわらず、フィーリングはポジティブなモノだ」
「我々はレースこそがKTMの本質であり、タイトル獲得という唯一の目標のために取り組み続けると何度も言われてきた」
「ペドロはこのプロジェクトに対してコミットしており、今回のミーティングのあとはよりリラックスし、自信を感じられている」
なおKTMの親会社ピエラー・モビリティ・AGは最近、傘下企業のMVアグスタの株式売却を決定。KTMもさらに人員削減を進めるなど、経営再建に向けた動きを進めている。