歳をとっても飛ばすコツ!シニアプロが飛距離アップの秘密をレッスン

ヘッドが走る!“スルーインパクト”で加速力アップ


インパクトを意識しない!
ボールをぼんやりと見てインパクトすれば振り抜きがよくなる。ジッと見るのはNG

若くて体力も腕力もあれば、ボールを強く叩いて力まかせに飛ばせるが、歳をとるとそれは容易でなく、故障にもつながる。力に頼らず効率よく飛ばすには“スルーインパクト”が決め手だと山添昌良はいう。

「インパクトを通過点として考え、当てようとする動きをなくせば、ヘッドは加速していきます。それには素振りで振り抜くラインを決めたら、そこに向かって一気に振ってください。今まで何千、何万球と打ってきたベテランなら、もうボールを見なくても当たるはず。インパクトを意識しなければフォローが大きくなり、ヘッドがきれいな円を描くので、体力が落ちても効率よく飛ばせますよ」

Point1:振り抜くラインを決めたらそこに向かって一気に振る

素振りのときに打つ方向と球筋を決めたら、左腰の高さで振り抜くラインも定める。本番はそこに向けて一気に振れば、ヘッドが加速し、大きなフォローで飛ばせる。

フィニッシュのポジションを決めて、それを再現してもOK。

Point2:フットワークを使ってパワー不足を解消

フットワークを使うと体が大きく動くため、パワー不足の解消に加え、インパクトを意識せずに振りやすくなる。1本足打法は素振りとして有効で、足が動いて体重移動がスムーズになる。

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軌道もバランスもよくなる!シャフトで”背中”を叩く


ムチのようにピシッ!
シャフトで背中を叩くつもりでスイング。
シャフトが当たる部位はどこでもOK

インパクトでボールを強く叩くと、飛んだ感じはするが、実際はヘッドスピードが上がらず、力を入れているわりに飛距離が出ない、と久保勝美はいう。

「とくに下半身の筋力が低下している中高年は、ボールを叩かないほうがいい。肩や腕の力を抜き、フィニッシュに向けてヘッドを走らせていきましょう。シャフトで背中を叩くつもりで振れば、正しい円軌道になってバランスが向上。余計な力を入れなくても、ヘッドが効率よく加速し飛ぶようになりますよ」

Point1:肩、ヒジ、手首の関節をやわらかく使って振り切る

肩や腕の力を抜いて、ヒジや手首などの関節をやわらかく使うことがコツ。グリップもやわらかく握ったほうが、シャフトで背中を叩ける。

Point2:ボールを叩きすぎると最後まで振り切れない

ヘッドが走らず、思うように飛ばない。またクラブが上から入るため、スピン量が増えてフケ上がってしまう。

いかがでしたか? このレッスンを参考に、飛距離アップを目指していきましょう!

水巻善典
●みずまき・よしのり/1958年生まれ、東京都出身。178cm、82kg。89年の関東オープンで青木功を破ってツアー初優勝。レギュラーツアー7勝。昨季のシニアツアーはコスモヘルスカップ シニアトーナメントで優勝争いを演じて2位。鳴尾GC所属。

白潟英純
●しらかた・ひでずみ/1966年生まれ、福岡県出身。172㎝、70㎏。19年に日本プロシニア選手権でシニアツアー初優勝。悲願のシニア優勝をメジャータイトルであげた。九州GC八幡コース所属。

柳沢伸祐
●やなぎさわ・しんすけ/1966年生まれ、埼玉県出身。182cm、85㎏。20年のシニアツアーで優勝するなど、シニアツアー3勝の実績をもつ。300ヤード超の大きな飛距離が魅力。アビバHD所属。

手嶋多一
●てしま・たいち/1968年生まれ、福岡県出身。172m、70㎏。01年の日本オープンや15年のミズノオープンを制し、レギュラーツアー8勝。19年からシニアツアー入り。デビュー戦で優勝を飾った。ミズノ所属。

山添昌良
●やまぞえ・まさよし/1967年生まれ、大阪府出身。172cm、72㎏。正確無比なショットが武器。シニアツアーのすまいーだカップを18、19年と2年連続で制した。シーミュージック所属。

久保勝美
●くぼ・かつみ/1962年生まれ、埼玉県出身。171cm、72㎏。シニアツアーでの成績は、2位が18年は4回、19年は1回と惜しい戦いが続く。今季こそ悲願のシニア初優勝が期待される。高根CC所属。

構成=小山俊正
写真=圓岡紀夫、中野義昌