〈恐怖のバイト募集〉アパートの1室で24時間過ごすだけで謝礼8万円「条件は格闘技経験者・深夜2〜4時は起きていること」の業務が最後までできなかったワケ【2024 変な部屋記事 4位】

2024年度(1月~12月)に反響の大きかった変な部屋記事ベスト5をお届けする。第4位は、アパートの1室で過ごすアルバイトを募集した団体の代表者を取材した記事だった(初公開日:2024年4月4日)。SNS上で突如募集された“怖すぎる”アルバイト。アパートの一室で24時間過ごすだけで、謝礼として8万円(募集当初は6万円)。ただし条件は格闘技経験者で、「深夜2:00-4:00 は必ず起きていること」だという。一体なにが目的のアルバイトなのだろうか。この募集をかけた団体の代表者を直撃した。

部屋で24時間過ごせば8万円 驚愕のアルバイト

幽霊屋敷などに滞在するイベントを企画している団体「暗夜-ANNYA-」。この暗夜が公式X上で募集をはじめたアルバイトの要項が「怖すぎる!」と大きな話題になっている。

3月30日に暗夜が募集したアルバイト要項は、「謝礼:8万円(交通費別途支給)」と高額で、場所は東京都八王子市、募集人数は1名。しかし条件面が「20歳以上・男性 ・格闘技経験者」と、実に怪しげな雰囲気が立ち込める。

さらに仕事内容は〈こちらが指定したアパートの一室で24時間過ごしていただきます〉とだけ記載され、その際の条件として、「玄関・窓など、全て施錠する(インターホンがなった場合もでなくて結構です)」「深夜2:00-4:00 は必ず起きている」「指定した時間にお線香を焚く」「キッチンの刃物類に触れない」「照明器具を使用しない」「スマホ持込禁止(漫画・携帯ゲーム機・飲食物 持込可)」と見慣れないものが並ぶ。

そして最後に注意書きとして「※危険を伴う場合があります」と記されていた。

あまりにも不審で怖すぎるこのアルバイト募集は大きな話題を呼ぶ一方、SNS上で我こそは! と名乗りを上げる人も多く現れた。

すると4月1日にはさっそく〈無事きまりました。ご応募ありがとうございました〉とアナウンスされたのだが、4月3日、〈昨夜、業務実施中に採用者が断念しました〉とのことで、アルバイトの再募集がはじまった。

謝礼は6万円から8万円にあがり、SNS上では〈ますます気になって来ました…何が起こるのでしょうか…〉〈それ程やばいってことですね…〉〈これ本怖なやつじゃん〉と、多くのネット民が震えあがっている。

この怪しすぎるアルバイト募集について暗夜に問い合わせてみると、代表の桐木けん坊さんに直接話を聞くことができた。

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採用者が滞在を断念した“恐ろしい”理由とは…

まずそもそも、このアルバイト募集の目的はなんなのだろうか。

「暗夜では『幽霊屋敷に泊まろう』『いわくつきの物件に泊まろう』というイベントなどをやっているのですが、その開催前には必ず、現場の事前チェックをしています。その物件に泊まったら、どういうことが起きるのか、身体にどういう異変が起こるのか、何時ごろが特にヤバいのかなど…。そういうのを知るための事前チェックをするために、今回アルバイトを募集しました。

暗夜という団体は基本的に社員がいなくて、僕だけで運営しています。僕は霊的なものや未知のものに関心があって個人的に研究もしているのですが、致命的に怖がりでもありまして…(笑)。事前チェックが自分ではできないので、代わりにやってもらおうというわけです」(桐木さん、以下同)

暗夜の公式サイトを見ると、現在開催中のイベント「幽霊屋敷に泊まろう-茨城S邸編-」は、すでに10月末まで、平日・休日に関わらずほとんど満室の状態だ。

しかし、アルバイト募集の理由はわかったが、なぜ“格闘技経験者”という条件がついているのか。

「その部分は詳細な内容に関わることになってしまうので、ちょっと話すことができません…。採用者の方にだけお話するようになっています。業務内容については、Xに載せている範疇で判断していただければと思います」

それでは多くの人が気になっている、4月3日の〈昨夜、業務実施中に採用者が断念しました〉については、一体何が起こったのだろうか。業務内容に触れない程度で、少しだけ明かしてくれた。

「アルバイトの方が精神的に負荷がかかって、断念するかたちになりました。こちらが提案するのではなく、アルバイトの方が自ら、『もう無理です』とドロップアウトするようなかたちでしたね」

前任者が断念したことで、新たに募集がかかったこのアルバイトだが、桐木さんは、どのような基準で、採用する人を選んでいるのだろうか。

「メールとかで応募してきた方の自己PRなどを読ませていただいて、『あ、この人だ!』となった方に、ビデオ通話で面接をして、最終的に判断するかたちを取らせていただいております」

無事に今回の物件の事前チェックが終わり、東京都八王子市でのイベントが開催されることを願うばかりだ。

取材・文/集英社オンライン編集部