名古屋市内で家賃2.6万円「ガチでこの部屋に住みたい」“昭和を完全に再現した”平成生まれの若者の極上の部屋

2000年生まれの24歳というZ世代ながら、昭和世代が思わず「懐かしい!」とうなってしまう古きよき部屋を作りあげてしまった男性が、SNS上で800万以上のインプレッションを獲得するほど話題になっている。この部屋の詳細について、本人に聞いた。

「この部屋に帰りたい!」最高の昭和の部屋を再現

話題の部屋に住んでいるのは、名古屋市内の大学院生・べーたさん。

2024年11月にXで、〈今日からここが我が家だ。ずっとこういう暮らしがしたかった〉というコメントとともに自身の部屋の写真を4枚投稿したところ、1.3万リポスト、14万いいねを獲得した。

この投稿には、昭和世代からの反響が続々と集まっている。

〈懐かしい…。学生時代こんな部屋でした〉

〈昭和生まれです とても安心感があって癒されます〉

〈今は令和の若者が昭和60年代をライフスタイルとして再現する時代かぁ〉

〈これに帰りたい気持ちがある〉

〈ガチでこの部屋に住みたすぎる……〉

〈こういう文化無くさないでほしいな、すごい嬉しい、ノスタルジーを感じる。若い子が昭和を大事にしてくれるって嬉しいね〉

6畳の和室は、砂壁に囲まれ、すりガラスの窓が2つ。年期を感じさせる木製の机や棚、座布団ややかん、旅館にあるような白いシーツがかけられた布団などの生活用品から、1983年に発売された初代「ファミリーコンピュータ」やラジカセといった当時の娯楽品まで、昭和らしいインテリアが所せましと置いてある。

まるで昭和時代にタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥ってしまうようだ。

べーたさんによると、この家は築50年の木造アパートで、間取りは7畳のダイニングキッチン・6畳の和室・ユニットバスからなる2DK。窓を開ければ坂道が見える爽やかな景観ながら、家賃は2.6万円と破格である。

「静かな場所でとても落ち着きますし、ただ畳に寝転んでいるだけで満たされる感覚があります」(べーたさん、以下同)と、住み心地は控えめに言っても最高のようだ。

いったいなぜ、このようなコンセプトで部屋作りをしようと思ったのだろうか。そこには、べーたさんのルーツが関わっていた。

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集めた家具は驚きの安さ

「家賃が安い物件を探していたときに、たまたま見つけた物件でしたが、和室があるということで自分好みの部屋にしようと考えました。普段よく古い旅館に行くので、そのような旅館に近い空間が部屋に作れたらなと思ったのがきっかけです」

べーたさんの両親はともに旅行好きで、幼い頃から古民家に泊まる機会が多かったという。そのためべーたさんも中高生の頃から古い町並みが好きになり、いまではすっかり両親同様、旅行が趣味に。ほかにも、京都散策や古本屋巡りなど、古きよき志向を持つようになった。

そんなべーたさんが約2か月間、10万円ほどの費用をかけて完成させた自身の城。「とにかく安いものを集めました」と話すように、家具はフリマサイトなどを活用して1万円以下の代物をコツコツと集めたという。

特に気に入っているポイントは木箱の本棚。元々りんごの集荷用に使用されていたもので、1箱500円ほどで購入した。

「(箱でできた段差に)日常のちょっとしたもの置く瞬間が好きです。観葉植物や飲んでいるお茶のコップ、たばこの箱などを箱の上に置く感触がとても好きです」と、ほのかに香るりんごの匂いも相まって、日々心を和ませてくれていると話す。

また、部屋でのお気に入りの過ごし方は、昭和に活躍した女性シンガーソングライター・森田童子の楽曲をラジカセで聴くこと。

「ラジカセは電池の入れ方が上手くないと聞こえ方が悪くなったりもするのですが、そのような調子の悪さも含めて愛着があります。趣深くて好きです」

サブスク全盛期の現代、音質のいい音楽は世の中に溢れているが、そこをあえてラジカセで楽しむ。べーたさんのように、ラジカセから流れてくるラジオや音楽とともに青春を過ごした昭和世代もきっと多いはずだ。

こうしたべーたさんの昭和スピリットに憧れる人は多く、SNSでは昭和世代と思われる人からの絶賛のコメントが相次いでいる。