「年齢はただの数字」37歳の織田信成がFS最終グループで登場。地元で正真正銘の“現役ラストダンス”「クライアンドクライになるかも」【フィギュア全日本選手権】

 再び歓喜の涙を流せるか。

 12月21日、フィギュアスケートの全日本選手権(大阪・東和薬品ラクタブドーム)は運命の男子フリーが行なわれる。前日のショートプログラムでは11年ぶりの全日本出場で5位(84.53点)と上々のスタートを切った37歳の織田信成が最終グループに入り、”現役ラストダンス”を迎える。

 ショートでは明るい曲調の「マツケンサンバ」を全力で演じ、4回転+3回転の連続トウループやトリプルアクセルを着氷し、会場からは大きな拍手が起きた。演技後、観客は総立ちのスタンディングオベーションでベテランスケーターを称え、キスアンドクライでは大粒の涙を流した。
  ミックスゾーンでは家族が見に来ていたことを明かし、「37歳で4回転を決めるぞと。それが成功できて嬉しかった」と声を弾ませた。「歓声が力になった。たくさん手拍子をいただけて感謝。自分も若い子の素晴らしさに負けないよう頑張りたい」と話し、フリーも4回転ジャンプを構成に入れ込むことを明言。その言葉通り、21日の公式練習では曲かけ後に4回転トウループを入念に確認した。

 ショート首位の鍵山優真や2位につけた16歳の中田璃士ら、ひと回りも歳の離れたスケーターたちとの対決に闘志を燃やす織田。結果はどうであれ、最高の笑顔で終わること。そして、入賞を目標に掲げている。「年齢はただの数字だと思っているし、そう言い聞かせることで、歳をとったからといってできないことはない。それを証明するために今日は一歩近づけたかな」と振り返りながら、「キスアンドクライはクライアンドクライになるかもしれない」と笑った。

 今季限りで現役引退を表明しており、今日が正真正銘のラスト全日本。男子フリーの最終グループは午後6時51分にスタート予定で、稀代のエンターテイナーは地元で最後のリンクに立つ。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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