女性ならほとんどの人が悩みを抱える『生理痛』。ひと言では言い表せないさまざまな痛みが毎月やってくると思うと恐怖でしかないが、正直に言って男性はあまり実感が沸かない人がほとんどだろう。

 
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■『生理痛体験』なるものがあるらしい

しかし、実際に生理痛を体験できる『生理痛体験』なるものがあるらしく、女性に優しい企業や団体は研修として管理職をはじめとした男性が体験する試みを行っているそうだ。

有名人も何人か体験したことがあるらしく、人気お笑いタレントの千原ジュニアさんのYouTubeチャンネルでは体験した様子がアップされており、叫びながら悶絶するヤバい状況になっていた。

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■体験することにしました

若いころはブイブイ言わせていたジュニアさんがそんなことになる体験、絶対やりたくないと思っていたのだが、Sirabee編集部の女性から「体験してみては?」と言われ、興味が出てきた。

体験当日、目の前に置かれた体験用の機材がかわいらしくて恐怖感を倍増させる。かわいいキャラが盛りだくさんの平和ななろう作品だと思って見たら鬱展開が凄まじいリゼロみたいな機材である。普通に怖いです。

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■体験方法はいたって簡単

体験方法はいたって簡単で、このパッドを下腹部につけるだけ。

保護フィルムをはがすと粘着するタイプのもので、ややひんやりとする。

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■恐る恐る体験してみると…

生理痛体験の強度は3段階あり、まずはもっとも低レベルの「弱」から。これはかなり生理が軽い日の痛みらしいのだが…。

あ、あれっ、全然平気なんですけど!? 低周波マッサージ機をつけているような感覚(※)で、痛いどころか気持ちがいい。

※筋電気刺激(EMS)を用いることで、生理時に生じる腹部の痛みを段階的に再現

生理痛が気持ちいいなんて言ったら女性にドン引きされてしまいそうだが、本当なので仕方ない。

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■2段階目は…

気を取り直して、次は2段階目の「中」にチャレンジ。

うーん、気持ちいいとしか言いようがない。下腹部ではなく肩に貼りたいぐらいである。

■なんかすいません

なんだかこのまま行くと炎上目的の記事みたいになりそうなので、最後の「強」では痛い表情を見せておきたい。

うん、気持ちいいですね。気持ち良すぎだろ! と叫びたくなるぐらい気持ちいい。(※)

悲しいことに生理痛を体験して女性のつらさを理解するどころか、「生理痛=気持ちいい」という認識のヤバいおじさんが誕生してしまった。

※人によって体験時に痛みを感じにくい場合があります。本装置で体験できる痛みは生理中の症状のうち下腹部痛のみで、実際には他にも様々な不調症状があります。

■産婦人科専門医にリアルな話を聞いてみる

ちょっと洒落にならない結末になってしまったので、本当にこの体験が生理痛のつらさを理解できるのか『Inaba Clinic』院長で産婦人科専門医の稲葉可奈子先生に、リアルな意見を聞くことにした。

先生「倫理的に体験できる範囲の痛みなので、正直に言うと再現度にも限界があります。実際には内部からの痛みなので、本当はもっと痛い場合が多いと思います」

記者「それだとけっこう違いそうですね! 内部からの痛みというと、男性でよくある“尿管結石”とかも近かったりします?」

先生「痛みの種類はまた違いますが、痛みのレベル感としては近いですね」

記者「完全に理解しました」

■働きやすさを上げるために重要なこと

結果としては、「尿管結石の痛みに近いこともある」という先生のひと言で女性のつらさを理解するというおじさんあるあるな結末になってしまった。ただ、もちろん人によって痛みの感じ方には差がある。

尿管結石みたいな痛みが1週間、それが毎月来るような人もいるのかもしれない。さらに今回は、下腹部痛のみを再現したものであり、腰痛・頭痛・眠気・倦怠感など、様々な不調を伴うと思うと恐ろしいばかりだ。そのため、痛みの差はあれど生理痛体験は実際に理解度を高める重要な研修になるので採用する企業が増えているのだろう。

また、先生いわく、こういった研修だけでなく、生理痛(月経困難症)の治療などを福利厚生として採用している企業もあるそうだ。

適切な治療を受ければ生理がつらくて仕事をすることが難しかった人でも痛みが緩和され、問題なく働ける状況になることも多いため、企業が生理痛で悩む社員の治療を応援することで本人だけでなく、周りの人たちの働きやすさも上がってくるのかもしれない。

(取材・文/Sirabee 編集部・熊田熊男