ふるさと納税の返礼品、“最も高い食べ物”は? 2位はうなぎ3000尾で寄付金額2000万円、1位は驚きの……

ふるさと納税は年じゅう寄付可能だが、年収が見えてくるこの時期に行う方も多いことだろう。やはり楽しみなのは各自治体からの「返礼品」。最も多い寄付金額でもらえるものは「多目的防災シェルター」で、必要な寄付金額はなんと3億円だ。それでは食べ物に限定すると、高額寄付の返礼品の1位はいったい何だろうか。そして、寄付した人は本当にいるのだろうか。自治体にきいてみた。

2位はうなぎ3000尾、寄付金額はなんと2000万円

最大級のふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」や「楽天ふるさと納税」で調べたところ、食べ物で高額の返礼品の第2位は、鹿児島県鹿屋市のうなぎ蒲焼き3000尾、2000万円だ。

 真空パックした蒲焼きを3000尾分、合計408kg以上提供する。養殖うなぎで完全無投薬。天然うなぎより、うま味成分が多く、生育期間が短いため骨まで柔らかい点をアピールしている。

鹿屋市の担当者はその魅力をこう語る。

「あまり知られていないのですが、鹿児島県は養殖うなぎ生産量トップで、そのシェアは鹿児島県で4割を占めます。鹿屋市にも養殖場はいくつかございます。うなぎをPRしたいということで、今年から3000尾の提供を始めました」(鹿屋市担当者)

市ではサーロインステーキや焼酎、米などさまざまな返礼品を提供しているが、一番人気の商品はやはりうなぎの蒲焼4尾600gで寄付金額22000円とのことだ。
このように普通は返礼品1品あたり数千円から数万円が相場だが、2000万円の寄付金額というのは相当異例に思える。

実際に2000万円の寄付をして3000尾を手にした納税者はいたのだろうか?

「3000尾については今のところ寄付者はいません……」

担当者は残念そうに話す。

「高額ですし、3000尾と量も多いので……。寄付してくださる方は、やはり高額所得者を想定しております。イベント用や贈呈用など、会社の福利厚生で使っていただければありがたいです」(同前)

市によると、ミネラルを含んだ天然地下水と、こだわりの餌で育ったうなぎは、上質な脂のりが自慢とのことだ。

ちなみに、もらえるうなぎは真空パック詰めなので取り扱いやすい。湯煎、またはレンジで温めるだけで簡単に調理できる。
1尾では9000円の寄付でもらえるので、気になったかたはチェックをしてみてほしい。

それでは寄付金額1位の食べ物はなんだろうか?

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2250万円の寄付で牛1頭がもらえる

寄付金額ランキングで食べ物の1位は、山形県米沢市が提供する米沢牛1頭分約300kgだ。

その寄付金額は驚愕の2250万円。

米沢市では米やリンゴなどの返礼品もあるが、やはり人気があるのは全国的に知名度が高い「米沢牛」。その中でも最も人気なのは「すき焼き用」で寄付金額は2~5万円という。

それがなんとこちらは2250万円分の寄付というから驚きだ。

この寄付をすると、ロース、サーロイン、バラ、ヒレなど丸1頭分、20部位を冷凍配送でもらえる。さすがに1回で300kgも消費できるわけはないため、最大30回までの分割配送にも対応している。

今回の1頭分で提供される肉はA5等級で霜降り等級を表すB.M.S.の値は10以上。B.M.S.は1~12まであり、数が大きいほど霜降り度は高くなる。丸々1頭分であるため、シャトーブリアンやトウガラシといった希少部位ももらえるという。

それでは、実際に寄付した人はいるのだろうか。米沢市の担当者に聞いてみた。

「残念ながら現段階で申込者はいません……。米沢市では米沢牛を売りにしていて、これまでに『すき焼き用』、『焼肉用』など、料理ごとの返礼品を用意してきました。1頭まるごと提供するのは今年が初めてで、話題性を含め米沢牛をPRしたくて始めたのがきっかけです」(米沢市担当者)

2位に続いて1位にも寄付者はいなかった……。
ちなみに、市はどういった層が寄付してくれると想定していたのだろうか。

「主に企業の代表者様を想定しております。300kgと量も多いので、企業のイベントなど福利厚生の一環で使っていただければと思います。BBQパーティーや大切な方へのおすそ分けとしても使えるかと。分割配送では各部位ごとに提供しますが、ご要望に沿って複数の部位を1回分として提供することも可能です」(同前)

従業員に振舞えば、喜ばれることは間違いないだろう。