【MotoGP】マルケス、ドゥカティ本家昇格でレッドブルと別れ。長年支援への敬意からモンエナのオファーは検討せず

 MotoGPに参戦するマルク・マルケスは、2024年限りで長年のスポンサーであるレッドブルとの関係が終了することを認めた。

 マルケスは2023年限りでホンダを離れ、ドゥカティ陣営のグレシーニへと加入。2024年シーズンはドゥカティのマシンでいきなり速さを見せ、2025年のドゥカティファクトリーチーム昇格が決まった。

 ただドゥカティ本家への移籍にあたって、以前からスポンサーのバッティングが指摘されていた。特にエナジードリンク大手のレッドブルは、マルケスのキャリア初期から支えてきたパートナーだが、ドゥカティは直接のライバルであるモンスターエナジーがスポンサー……マルケスとレッドブルの関係が今後どうなるのか注目されていた。

 何か抜け穴を探しているのではないかとも言われていたが、先日マルケスはレッドブルのServusTVに出演すると、今回がレッドブルでの最後のイベントだと認め、2025年からはレッドブルと別れることが分かった。

「これが僕の最後のイベントだ。ドゥカティは今、別のスポンサーがついているから、僕達がこのまま続けることはできないんだ」

 マルケスはそう語った。

「レッドブルへの敬意として、僕はパーソナルスポンサーをつけるつもりはない。レッドブルファミリーに感謝しているし、今後もいい関係でいられることを願っているよ」

 なおドゥカティとマルケスの合意内容では、ライダーのキャップやレーシングスーツに載せるスポンサーはドゥカティ側の決定となるのに対して、ヘルメットなどにライダー自身の選択でスポンサーを掲出できるスペースも与えられる。

 それらのスポンサー枠にはドゥカティ側のスポンサーとの競合によって、レッドブルやオークリー、サムスンなどを掲出することができない。そのためマルケスはこの枠にエストレーリャ・ガリシアを掲げることになるようだ。なおエストレーリャ・ガリシアについては、ドゥカティ側からも掲載の承認が取れていることが分かっている。

 そしてマルケスは、レッドブルに対しての仁義も通している。モンスターエナジーはドゥカティに昇格するマルケスに契約を持ちかけたが、マルケスは今のところそのオファーを検討していない。

 ServusTVで「レッドブルへの敬意から、個人スポンサーはつけない」とマルケスが語ったのもそのためだ。

 これはドゥカティファクトリーチームでモンスターエナジーがスポンサーについて戦っている間は、マルケスがレッドブルとの関係をスリープ状態で保留しておきたいと考えていることのあらわれだ。

 なおモンスターエナジーとドゥカティの契約は、2025年末までとなっている。しかし両者はすでに延長に向けた話し合いをスタートさせている状況だ。

 そのため、レッドブルとの契約を一時停止させてはいるものの、マルケスは今後契約を再開させることができない場合、他の戦略の模索が必要となってくるだろう。