ものまね芸人・こいでまほがリアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 婚活ダイアリー』。
完全なる暇つぶしで、AIが探してくれるマッチングアプリをまた開いてみました。このアプリは顔写真はなく、AIが好みを学習し自動でマッチングしてくれるシステム。前回使ったときは、AIの実力はまだまだだと感じました。今回はどうなる…!?
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■また?
もう一度、AIを信じてみることに。前回は好みの条件をせっかくだからと外見重視・体型細身・年収は普通くらいにしてましたが、逆に内面重視・同じく体型細身・年収高めに変更してみました。
日にちを決めて待っているだけでいい。AIが自動でマッチングしてくれる。楽すぎます。待ち合わせは、恵比寿のカフェ。少し年上くらいの男性がやってくるらしい。顔写真がないためどんな人が来るかも不明。正直、ゲーム性が高すぎる。
ドキドキしながら待っていると登場したのは、想像以上に大きな男性。失礼だけど、熊と格闘していそうで山から降りてきた風貌。「山男」さんと命名しよう。清潔感はない、野生的。あれ? 前回もこうじゃなかった? 私には細身の都会的な男性ではなく山のような男が合っていると、AI的には勧めてくれているのでしょうか。
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■結婚の経験あり
会話が始まりました。山男さんは、最初は少し照れくさそうでしたが、物腰がとても柔らかい口調で話しやすく感じました。見た目とは違う穏やかさが出ています。このマッチングアプリは審査制ではあるものの嘘をつく人も多いため疑いの目で見てしまうのですが、山男さんは経歴など嘘をついているようには見えません。
結婚経験があるということを伝えてくれました。離婚したということか。特に理由を聞きたかったわけではないのですが「人間関係って本当に上手くいかないこと多いですよね」と言ってみると「あ、そういう感じじゃないんだよね」と、山男さん。
「亡くなっちゃったから、病気でね」。奥さんとは死別。ただ淡々と話す彼。「病気が治らないこともある、寿命だ」と言っていました。アプリをやるようになったということは、前向きに出会いを求め出したということだから良かったと思う。色んな人がいる、愛した人を失う人だっている。
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■大失恋話を聞いてもらう
それなのに私は、いまだに元カレ・えびおくんへの怒りが消えない。色々言われたこと、思い出しては爆発しそうなときもあるのに、反省しなきゃと自分を責めたりもする日々。正直、いまだあまり立ち直れていない。でも彼の話を聞いていると、すごく大したことなくて、しょうもないことのように思えてくる。
「じつは最近、大失恋しまして…」彼に話を聞いてほしくなりました。出会ったときは一目惚れで、すぐ付き合って結婚しようと言い合ってたけどダメだった、納豆菌が飛び散ると言われて納豆を堂々と食べられなかった、エビデンスばっかり言ってた…など言うと、笑って聞いてくれる彼。
でも、聞いてほしいのはそこじゃない。怒りが消えないことと、ずっと不安だったこと、自分を責めていること、もうそんな日々がイヤだということ。つらつらと伝えました。すると、救われる言葉をもらいました。山男が天使に見えてきました。
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■醍醐味
私の気持ちを聞いた彼は「いいことだ」と言いました。「そういうもんなんだ」と。不安になったり、自分らしくいられなくなるほどの苦しみや相手への怒りがある。「それが恋愛の醍醐味だよ」。
胸に響きました。ハッとしました。そうだ、恋愛ってそもそもそういうもので、そこまで大きな原因も正解もないんだった。自分を責める必要はない。落ち込むのはいいんだけどね、と笑顔で言ってくれました。
「そうですよね、でもなかなか上手くできないんですよね」と言うと、「だから、それが醍醐味。むしろ楽しんだんだと思うよ」。物の見方が冷静になってくる。私は楽しんだ、ジェットコースターみたいな日々を本当はどこかで楽しんでいた。
私はいつか恋愛から発展したずっと続くパートナーが欲しい。この山男さんのように全てを受け入れられるような。そう思いました。AI、私を立ち直らせるためにこんな天使みたいな人をマッチングさせてくれたのかい? 私はハンカチで涙を拭いました。
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■聞き忘れた
2時間くらい経ったので帰りましょうと、駅まで2人で歩きました、私はカウンセリングを受けたような気持ちになり、頭がボーッとしていて会話は少なくそのまま挨拶して改札で解散しました。
すごく楽になったなぁ。正直、本当に山奥で熊と暮らしている感じは強いけれど、また会いたいかも…と思った時に、山男さんの連絡先を聞き忘れたことに気づきました。しかもそれに気づいたのは数時間後。このマッチングアプリはチャットが時間切れになるシステムでした。
ということは、もう会えない。名前も聞いていませんでした。はじめての失態。でも…そういう縁だったのかもしれません、きっとAIが私を元気づけるために用意してくれた人だから…。そう思うことにしました。
私は、こんなに優しい良い人に会えるならこのマッチングアプリをもう少しやってみようと思いました。続けて使い続けていると、AIからフィードバックが? 性格はいいけど◯◯が★2だと!? なにこの傷つけてくるフィードバック! こんなのいらない! 続く!
太田プロ所属のものまねタレント。フジテレビ系で放送の『 ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で優勝経験あり。
aiko、優香、泉ピン子などものまねネタ多数。近年はナレーションなどの活動も積極的に行っている。
(文/Sirabee 編集部・こいで まほ)