【一体どんな味?】成城石井で出会った『梅塩とまと甘納豆』を食べてみたら…

甘納豆と言えば、豆類やサツマイモを砂糖漬けにしたお菓子、というイメージだ。ひと粒でもしっかり甘くて、お茶うけにちょうど良い。

先日、成城石井をふらついている時に『梅塩とまと甘納豆』という商品を発見。これって、一体どんな味なのだろうか? トマトなの? それとも甘納豆?

いや、そもそも甘納豆ってトマトでもいけるのか……? そう言えば、甘納豆って納豆入っていないのに、なんでそう呼ばれているの……?? 

もしかして、とてつもなく奥が深いのではないか甘納豆。そんな思いと共に『梅塩とまと甘納豆』を手に、レジへ向かった。

【写真】ひと粒に寄って見るとこんな感じ

・甘納豆はなぜ甘納豆か

『梅塩とまと甘納豆』の原材料を見ると、トマトに砂糖、梅干しにしそ梅酢などが使われているようだ。

記者は成城石井にて税抜き640円で入手した。

冒頭の疑問に戻るが、そもそも甘納豆はどうして “納豆” なのだろうか。納豆のような味がするでもなければ、ネバネバする訳でもない。

『日本国語大辞典』を引いてみると

「明治の初年、東京日本橋西河岸の菓子商、栄太楼細田安兵衛がはじめて製造したもの。遠州名物「浜名納豆」に対して「甘名納豆」としたという」

と書いてある。浜名納豆は煮た大豆を小麦粉でまぶして発酵させ塩汁につけた後、乾燥させてショウガなどの香料を加えたもの(こちらも『日本国語大辞典』より)で、つまり甘納豆は浜名納豆をもじっての単語であるようだ。

そうなると、そもそも納豆とは……となるが、昔は今のように糸を引く納豆のほかにも塩辛い納豆があったと思われる。関西住まいの人は一休納豆や大徳寺納豆などに耳馴染みがあるだろうが、それらからも古くより寺院の食物として作られていたことが窺える。

甘納豆、というか納豆の歴史深さを改めて感じられるエピソードではないだろうか。『梅塩とまと甘納豆』から様々なことが知れたところで、こちらを食べてみることにしたい。

(広告の後にも続きます)

・トマトもアリ

最初に重要なことを言っておくと、『とまと甘納豆』は甘納豆ではなくトマトである。甘納豆のように、「砂糖で煮詰められたトマト」と言った方がわかりやすいかもしれない。

その『とまと甘納豆』に梅塩風味を加えたから、『梅塩とまと甘納豆』なのだろうか? 味を確かめる前に見た目をチェックすると、よくある甘納豆と同じように、表面はカサカサっとしている。

加えて、トマトであるから見慣れている甘納豆に比べてひと粒が大きく、食べ応えがありそうだ。

包丁で半分に割ってみたところ、シャクっという音がする。砂糖でコーティングされているからだろう。食べてみると、想像よりもトマトトマトしていなくて、爽やか。これならば、トマトが苦手な人でも食べられるかもしれない。

そうは言うものの、ドライトマトであるからか旨味がぎゅっと凝縮していて美味しい。優しい甘味と、紀州産梅パウダーも手伝ってだろうか、ちょっとした酸味もある。

食べはじめは「イメージと違うな」と思ったが、気が付けばもうひと粒……と、手が止まらなくなっていた。中毒になるほどではないが、なんとなく食べるのが止められなくなる味である。

甘納豆と言えば豆や穀類という勝手な印象があったが、トマトのように甘みと酸味を兼ね備えた味も、かなりアリであることを知った次第。なお、こちらの商品は成城石井以外にもあちこちでネット販売されている。

それにしても、やはり「(甘)納豆」と名がつく商品の世界は興味深いものだ。そのような商品を、記者は今後も引き続き注意してチェックしていきたい。

執筆:K.Masami

Photo:Rocketnews24.