「ユウタを超えるとしたら、世界一しかない」川口能活が南雄太の偉大な功績を称える「負けるわけにはいかないという気持ちでやっていた」

 豪華なメンバーだ。12月21日にNACK5スタジアム大宮で開催された南雄太氏の引退試合『Yuta MINAMI Farewell Game』には、歴戦の盟友たちが駆けつけた。

 三浦知良、中村俊輔、小野伸二、中澤佑二、遠藤保仁、中村憲剛、松井大輔、北嶋秀朗、李忠成、菅野孝憲、大谷秀和、市原吏音…その中で川口能活氏が、自身と同様にJリーグでも日の丸を背負っても確かな足跡を残した後輩GKについて話してくれた。

「やっぱり、ワールドユース(現・U-20ワールドカップ)で準優勝したキーパーですから。日本で最高の成績を収めているゴールキーパーが南雄太なわけで、それは彼の1つの勲章だし、それを超えるキーパーはいない。ユウタを超えるとしたら、もう世界一しかないので。改めてみなさんには、彼の偉大さを認識してほしいなと思いますね」
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 南氏は川口氏の4歳下。「僕も(楢崎)正剛も代表にいて、下から突き上げてきたゴールキーパーでユウタもその1人だった」と振り返る川口氏は、「彼に負けるわけにはいかないという気持ちでやっていました。年下のキーパーでも常に怖さを感じていた」という。

 GKとして南氏は歴代最多となるJ通算666試合に出場。「各カテゴリーでしっかりと試合数を重ねて、実績を残したことが本当に素晴らしい」と称える川口氏は、「彼もいろんなチームを渡り歩いて、悔しい思いもして、そのなかで彼が信頼を得て、人徳もあって、今日のような試合が行なわれたと思います」としみじみと語る。

 南氏は「キーパーの地位を上げたい」との思いで様々なことに取り組んでいる。「僕ももちろんそうですし、お互いに頑張っていきたい」と賛同する川口氏は、「彼はそういうこともできるので、期待しています」とエールを送った。

 なお、「YUTA FRIENDS」と「BLUE LEGENDS」が激突した試合は、90分で10-10、PK戦は4-2で決着し、「YUTA FRIENDS」が勝利。GKの南氏はフィールドプレーヤーとしてもピッチに立ち、ハットトリックをやってのけた。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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