毎年さまざまなアニメが制作されており、なかには見ていてつらくなる鬱展開が繰り広げられるアニメがあります。そのような「鬱アニメ」とされる作品では、どのような展開が描かれたのでしょうか。



『TEXHNOLYZE unite01』DVD(パイオニアLDC) (C)RONDO ROBE・TEXHNOLYZE製作委員会

【画像】視聴者絶叫? こちらが芋虫状態にされてしまった美少女です

ヒロインの変わり果てた姿に呆然

 年末の忙しい時期はやらなければいけないことで頭がいっぱいになり、「別のことを考えたい」「いったん現実逃避を」と考える人も多そうです。そんなときは、心をえぐる鬱々しいアニメの世界観にのめり込み、現実世界の「あれこれ」をいったん忘れてみるのはいかがでしょうか?

※この記事には『TEXHNOLYZE』『CLAYMORE』『君が望む永遠』のネタバレを含みます。

 まず取り上げたい作品は、2003年に放送された『TEXHNOLYZE』です。本作は暴力に支配されて荒廃した都市「流9洲(ルクス)」に、外界の男「吉井一穂」が来訪したことで変革が訪れ、やがて崩壊に向かう物語です。

 終始荒廃した雰囲気に満ちているうえ、残酷な描写がいくつも登場します。例えば、主人公の「櫟士(いちせ)」は、強大な組織とつながりのある娼婦に暴力を振るい、報復として右手と左足を切断されてしまいました。

 また、終盤ではヒロイン「蘭」が、敵の手によって手足のない内臓だけが詰まった胴体と首だけにされます。まるで芋虫のような見た目に衝撃を受けた視聴者も多かったでしょう。ほかにも、さまざまな主要人物たちが「流9洲」の崩壊とともに死んでいき、最後は誰も助かりませんでした。

 この陰鬱なストーリーには視聴者からも「人体改造や芋虫の描写がきつかったけど、音響や世界観などが素晴らしい」「ヒロインに悲惨な結末が待ち受けていて絶望しかないけど、緊迫感があって引き込まれてしまう」といった声があがっています。

 また、2007年に放送された『CLAYMORE』も終始暗い雰囲気が続くうえ、グロテスクな描写が多い作品です。本作は人間を捕食する妖魔と妖魔を退治する半人半妖の「クレイモア」と呼ばれる女剣士たちの戦いを描いています。

 妖魔との戦いは常に命がけのため、女剣士が体を貫かれたり腕を切断されたりする血生臭い描写がありました。また、女剣士たちは妖魔の血肉を取り込んだ代償として、いずれ「覚醒者」と呼ばれる妖魔になることを運命づけられています。作中では仲間が覚醒者になりかけたため、主人公によって葬られるシーンもありました。

 そのような過酷な生きざまを描いた本作へは「予測がつかないからこそドキドキして楽しめる」「適度に刺激があって、全体のバランスが絶妙」と、高く評価する声が絶えません。

 グロ要素は少ないものの、三角関係のドロドロとした恋愛模様が繰り広げられる『君が望む永遠』も視聴者に強烈なインパクトを残し、一瞬でも現実世界を忘れさせてくれる作品です。本作は主人公の「鳴海孝之」と、こん睡状態から目覚めた恋人「涼宮遙」、遙が眠っていた間を支えてくれた彼女の親友「速瀬水月」の三角関係が描かれます。

 前半は孝之と遙のなれ初めが描かれ、水月が孝之に思いを寄せる描写はあったものの、まだ明るめなストーリーでした。しかし、遙が交通事故から目覚めると、孝之と水月が付き合い始めていたのです。

 孝之の優柔不断な性格もあって遙と水月を選びきれず、視聴者をやきもきさせる展開が続きます。なかでも、孝之との関係に悩んだ水月が孝之の親友「平慎二」と浮気をした展開には、衝撃を受けた視聴者も多いでしょう。

 本作を視聴した人からは「選ばれなかった方との別れは胸にくるものがあった」「ドロドロな心理描写が巧みで、それぞれの気持が伝わるからこそつらい」との声が見られ、涙を流した人も多いようです。

 なお、「視聴後のあなた」について、責任は負いかねます。あらかじめご了承くださいませ。