人気アニメの主人公が、さまざまな経験を糧に成長していく姿は、作品の魅力のひとつといえるでしょう。しかし、見た目や印象がガラッと変わることで視聴者に衝撃を与えることもあります。



初期のエレンが描かれたTVアニメ『進撃の巨人』Season 3 第4巻(初回限定版)DVD(ポニーキャニオン)

【画像】え、本当に19歳? 30代といわれても納得しそうな『進撃の巨人』終盤のエレンを見る(6枚)

見比べても「誰?」と困惑

 キャラクターの見た目はマンガやアニメ作品において、作品のイメージにもつながるとても重要な要素のひとつです。しかし、作品のなかにはキャラクターのビジュアルが別人級に変化し、長年のファンすら困惑する、という事態に発展することもありました。

 例えば『ONE PIECE(ワンピース)』(作:尾田栄一郎)に登場する海兵「コビー」です。彼は、いつの間にか体格が変わって顔も激変しました。そして、この現象は主人公にも起こっています。

 突如イケメンになった主人公といえば、『俺だけレベルアップな件』(原作:Chugong/作画:DUBU/脚色:h-goon)の「水篠旬」です。本作は、ハンターが活躍する世界で、自分だけが「レベルアップ」する力を手に入れた旬が、試練を乗り越えながら最強へと駆け上がっていきます。

 物語序盤、「最弱」と呼ばれていた旬は、頼りないながらも優しい雰囲気を持つ青年でした。しかし、レベルアップを重ねていき筋トレに励んだ結果、第5話では細身だった体がたくましい体つきに変わり、幼さの残る顔立ちも凛々しいイケメンへと成長を遂げています。

 この変貌ぶりに、ネット上では「共通点、黒髪だけっぽいけど本人で合ってる?」「イケメン化し過ぎだろ」といった戸惑いの声があがりました。

 悲劇的な出来事で大きな変貌を遂げたのは、『東京喰種トーキョーグール』(作:石田スイ)の主人公「金木研(カネキ)」でした。本作は、人を喰らう怪人「喰種(グール)」が蔓延する東京を舞台に、事故で半喰種になったカネキの苦悩と成長を描いた物語です。

 初期のカネキは大人しく優しい少年でしたが、過酷な経験を経て容姿、人格ともに著しく変化します。特に、喰種集団の幹部「ヤモリ」による身体の切断や体内にムカデを入れられるといった過酷な拷問によって髪の色素が抜け落ち、黒髪から白髪への変化する様子が衝撃的でした。

 そして精神の崩壊から覚醒に至ったカネキは、以前の穏やかさからは想像できないほど残虐な戦い方をする喰種へと変貌します。この姿はファンの間で「白カネキ」と呼ばれ、物語の象徴的な存在のひとつとなりました。

 また、巨人と人類の戦いを描いた『進撃の巨人』(作:諫山創)の主人公「エレン・イェーガー」も、物語が進むにつれて大きく印象が変わります。物語初期の少年エレンは「巨人を一匹残らず駆逐する」と豪語する直情的で表情も豊かな印象でした。

 巨人への憎悪や仲間想いの一面など、さまざまな場面で感情をあらわにしていますが、敵国「マーレ」側の視点で始ったTVアニメ第4期では、容姿の変化に加え、寡黙で何を考えているか分からない人物として描かれています。

 特に、マーレに潜入していたときの長髪で無精ひげを生やしたエレンの姿に「いっきに老けたな」「顔がエレンっぽいと思っていたけどまさか本人とは……」「エレンが悪魔に見えた」などとファンを驚かせてました。

 実際、マーレではエレンたち「パラディ島」の住民が、歴史的な事情から「悪魔の末裔」と見なされています。それまで巨人に蹂躙される側として描かれていたエレンでしたが、物語がマーレ側の視点に切り替わったことで、「悪魔」として映るように描かれたのかもしれません。

 2024年も残り2週間を切り、これから忘年会の予定がある人も多いことでしょう。忘年会の場で、話題に困った際のネタのひとつにいかがでしょうか?