『ザ・リーヴPresents LIMIT BREAK .ex』東京・新木場1stRING(2024年12月22日)
△小峠篤司vs岩本煌史△
小峠と元世界ジュニア王者・岩本によるシングル初対決は熱闘ドロー。試合後には決着戦を誓い合いながらも互いを認め、小峠はタッグ結成、岩本は「ほかのノアジュニアの選手との対戦」にも色気をみせた。
元全日本の世界ジュニア王者・岩本は今年7月にLIMIT BREAK初参戦。と同時に小峠に宣戦布告し、随所で火花を散らしてきたが、暮れにいよいよシングルマッチで始めて相対した。
序盤は静かな立ち上がりに。徐々に小峠ペースに傾くが、場外戦になると、岩本がカウンターの一本背負いで反撃ののろし。場外ネックスクリューで大ダメージを与えると、リングに戻ってもSTFで長時間絞め上げた。引かない小峠も一本足頭突きから巻き返し、サイドエフェクトも繰り出すが、負けじと岩本もドラゴンスープレックスから猛攻を再開。肩固めで絞めに絞める。
しかし、小峠は孤高の芸術だけは決めさせない。岩本を花道に追いやると、ソバットでヒザをつかせてランニングニーを一閃。時間切れが迫るなか、リングに戻っても雪崩式フランケンを敢行した。岩本の反攻をことごとく防いで、丸め込みを連発する。
岩本も屈せずに肩を上げるが、小峠はこうもり吊り落としからキルスイッチの構え。一度は防がれたものの、ニーアッパーから今度こそキルスイッチがさく裂した。だが、岩本は意地のキックアウト。逆に残り10秒がコールされた直後に孤高の芸術を繰り出す。完璧に決まったが、ダメージを引きずり、即座にフォールできず。覆い被さったところで時間切れのゴングが打ち鳴らされた。
両雄によるシングル初対決は最後まで相譲らずの熱闘ドロー。熱闘を称える拍手を、ともに大の字で天井を見つめながら聞いた。
起き上がって向き合った小峠と岩本は互いを認めて握手。と同時に互いに1本指を突き立てて決着戦を誓いあった。
小峠は「ふがいない気持ちもあるけど、真っ向勝負で心地よい部分もあって。こうやって年末に本戦では交われない選手と当たれて多幸感がすごいよ」と新たな“好敵手”との熱闘に充実の表情。「なんでもいいからもう一回やりたいし、同じサイドに立つのでもいい」とタッグ結成にも色気をみせた。
岩本も「強いうえにキャリアも感じる。ところどころ掌の上で転がされてるなと感じた」と認め、「次は20分とはいわず、30分、60分、時間無制限…20分以上だったらなんでもいいよ」といつの日かの決着戦を希望。一方で「LIMIT BREAKに上がって小峠篤司を狙い続けてきた。こうしてシングルに持ち込めたからひとつ形にはなった。ほかの選手ともやりたいし、ほかのNOAHのジュニアの選手にも興味がある」とNOAHでの新局面も視野に入れ始めた。
【小峠の話】「まあ、なんだろうな。いろいろ感情あるよ。ちょっと取り損ねたとか、不甲斐ないなという気持ちもあれば、なんかメッチャ心地いい気持ちもあるし。なんだろうな。まあ、一言言うなら、試合はメチャクチャ気持ちよかったですよ。真っ向勝負。ちょっと読み切れない部分とかもあったけど、その辺は向こうも百戦錬磨やし、ダテにキャリアを重ねてないから。なんやろうな。鋭い目をしてさ、こんな目をしてるやろ。だから意外とさ、もっと気性荒くガンガン来るのかと思ったら、ずっと俺の出方をうかがって。やられたよ。まあでも、何でもいいからもう1回やりたいし。いろんな形、同じサイドでもいいし。なんか嬉しいね。こうやって年末に。LIMIT BREAK始めて、こうやって絶対NOAH本戦じゃ交わることない選手と気持ちよく試合できるのは、多幸感がすごいよ。ありがとうございました」