ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた球状星団NGC 6440の画像が公開されました。NGC 6440は、いて座の方向、地球から約2万8000光年の距離にあります。

球状星団は、重力によって星々が球状に集まった星団です。数十万から数百万個の星が、平均するとたがいに1光年ほど離れて存在しています。太陽と隣の星との距離は4光年ほどですから、球状星団では星々がかなり密集していることがわかります。なかには、太陽系の大きさと同じくらいの近い距離にあることもあります。NGC 6440は質量が大きく、金属(重い元素)に富んだ球状星団として知られています。天の川銀河のバルジで形成され、そこを周回しています。

この画像は、星団内のパルサーを詳しく調査する観測プログラムの一環で、ウェッブ望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)のデータから取得されました。パルサーは強い磁場をもち高速回転する中性子星で、磁極からビームを放射します。自転軸と磁軸がずれているため、高速回転にともなって地球からはビームがパルスのように観測されます。


こちらはより広い範囲をとらえた画像です。

ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2024年5月1日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。

(参考)ウェッブ望遠鏡Picture of the Month

Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, P. Freire; Acknowledgement: M. Cadelano and C. Pallanca

(参考記事)ハッブル望遠鏡がとらえた2万8000光年先の球状星団NGC 6440

(参照)ESA/Webb