レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、同チームに昇格することができなかった角田裕毅について、「5年もサポートチームに預けることはできない」と、レーシングブルズ/RBに在籍するのは2025年が最後になる可能性を示唆。しかし、レッドブル昇格の可能性が完全に潰えたわけではないと含みを持たせた。
2024年シーズンに安定した走りを披露し、合計30ポイントを獲得した角田。セルジオ・ペレスが更迭されたこともあり、レッドブル昇格の可能性もあるのではないかと言われてきた。しかしレッドブルが選んだのは、角田ではなくチームメイトのリアム・ローソンの方だった。
これで角田は、2025年もレーシングブルズ(今季まではRBという登録名だったが、2025年からは登録名が正式にレーシングブルズになることが決まっている)で走ることが決まった。つまり、レッドブルのジュニアチームで5年目のシーズンを迎えることになるわけだ。
これについてレッドブルのホーナー代表は「5年もサポートチームに預けることはできない」と、メディアとの談話で語った。
「正直に言って、今年ユウキにチャンスを提供できないとしたら、それは意味のあることなのだろうかと痛感している」
「サポートチームに5年間もドライバーを預けることはできない。ずっと付添人でいるわけにはいかない。その時点でそういうドライバーは手放すか、何か別のモノを探す必要がある」
しかしホーナー代表は、角田がレッドブルに昇格する可能性が残っていると示唆している。
「アブダビでテストした時、ユウキは確かにチームに感銘を与えた」
「彼のフィードバックは素晴らしかった。そして必要であれば、我々は彼に頼ることができると思う」
「ユウキとも話をした。彼は休暇中で、和牛を食べて楽しんでいると言っていた。彼のモチベーションは、自分がレッドブルをドライブするのに値するのを証明することだった」
「そしてレーシングブルズは、我々のリヤサスペンションやギヤボックス、そして共有が許されている部分を活用して、来年また一歩前進することを期待している」
「チームと新しい首脳陣が成熟するに連れて、チームは自然に一歩前進すると思う。そして、彼の決意は非常に固い。物事が急速に変化する可能性を、彼は理解している」
角田のレッドブル陣営内での希望は、まだ残っているようだ。しかし、彼の手に委ねられているわけではない。
ただその一方で、もしレッドブルでの可能性が潰えたとしても、2025年に印象的な活躍を見せることができれば、2026年には別のチームからお呼びがかかるかもしれない。
角田には明らかにスピードがある。2024年はそれに磨きがかかり、レッドブルでの初テストでも存在感を示した。成熟度も、レースの組み立ての面でも、間違いなくレベルアップしている。
ザウバーとハースは、以前から角田に興味を示していた。2026年からホンダ製パワーユニットを積むことになるアストンマーティンも、当然選択肢となろう。
2025年に向けては、レッドブル昇格の可能性が高まっていたこともあり、角田サイドはこれらの新たな選択に向けた交渉に積極的には取り組んでいなかったのかもしれない。しかしレッドブルとの関係が終わりに近づいているとなれば、今まで以上に積極的に交渉することができるだろう。
ただその一方で、新たにチームメイトとなるアイザック・ハジャーに負けたり、大きくステップアップした姿を見せることができなければ、その将来は一気に厳しいものとなるかもしれない。
2025年は、角田にとって重要な、重要な1年となるのは間違いない。