今季限りでキック・ザウバーのシートを失うことになった周冠宇は、来季もF1のパドックにいる予定だと語るとともに、将来再び中国GPを走ることを目指すと語った。
2024年のキック・ザウバーはパフォーマンスが低迷。開幕から、入賞を果たせないグランプリが続いた。終盤を迎えた段階でも、唯一無得点のチームだったが、全24戦中23戦目となるカタールGPで周が8位に入り、今季初入賞。チームにとってはこれがこのシーズン唯一のポイントだった。
ただ入賞を手にした周だが、時すでに遅し。チームは来季のドライバーとしてベテランのニコ・ヒュルケンベルグと新人のガブリエル・ボルトレトを起用することを決めた。周は来季のシートを失うことになった。
その周に関しては、フェラーリやレッドブルなどでリザーブドライバーなどを務めるのではないかという噂があるが、周も来季もF1のパドックにいる予定だと明かしている。
「おそらく来年も、このパドックで僕の顔を見かけると思うよ。でも、どの色が僕に似合うだろうね? まだ何も決まっていないんだ」
周はアブダビGPの決勝終了後にそう語っていた。
「様々なチームが興味を持ってくれている可能性があり、僕らはそれを検討している。どんな場所にいても、僕が満足できるようにする」
周は、F1のシートに戻ることが最大の目標であると語る。
「グリッドに戻り、F1マシンをドライブできるように努力していく。それが僕が望んでいることの全てだからだ。じっと座って待っているのは嫌だね」
「何をするにしても、将来の期待が持てる場所にいようとしている。そして、うまくいけば2026年にドライブできるよう願っている」
なお周の母国である中国でのグランプリは、2030年まで延長されることになった。2024年の中国GPは、中国人ドライバーが走る初めての中国GPということになり、セレモニーも行なわれた。周はその光景に涙した。
そして周曰く、その中国GPに再び出場することがモチベーションになっていると語った。
「チケットが高くならないと良いね。でも、今のF1全体のことを考えたら、それでも安いと思う。誰もが手に入れられるようにする必要があると思う」
そう周は語り、さらに次のように続けた。
「2030年まで更新されたのは、素晴らしいニュースだと思う。僕はそこで過ごした時間、そしてコースを走った経験を楽しんだ。初めて中国GPを走ったけど、素晴らしいサーキットで、さらにファンのおかげでとても特別な時間を過ごせたんだ」
「そのことを改めて認識できた。僕としては、そこで再びドライブするチャンスを見つけることがさらに重要になったよ。そしてF1での僕の時間は、まだ終わっていないと感じている」
「僕はまだここでシートを探し、カムバックするために戦っている。僕が戻る時にも、グランプリが開催されていることを願っている」
「今年は最高の瞬間だったし、もっと走りたかった。まずは次の1ページがどうなるのか、そしてそれがどこに辿りつくのかを見極める。それから、シートを得るために戦うつもりだ」