「今思うともっと...」岩政大樹が鹿島の監督時代を述懐「J1、J2の監督は中間管理職」

 来季から北海道コンサドーレ札幌の監督に就任する元日本代表DFの岩政大樹氏が、那須大亮氏のYouTubeチャンネルに出演。鹿島アントラーズの監督時代を振り返った。

 現役の頃は鹿島やファジアーノ岡山などで活躍した岩政氏は、2017年に加入した関東1部の東京ユナイテッドFCで選手兼コーチを務め、同時期に東京大学のコーチも兼任した。引退後は、上武大の監督を経て、2022年に鹿島のコーチに就任すると、同年8月にレネ・ヴァイラー氏の退任に伴って監督に昇格。J1で4位の結果を残すと、翌23年も指揮を執り、5位に入ったものの契約満了となった。

 シーズン中に初めてJクラブの監督に就任した当時を、岩政氏はこう回想する。

「両面あって、1つはレネさんがやってきたことを踏襲しなければいけない。それはコーチで僕はやっているし、選手たちもそこにいるのは知ってるわけだから。それを僕もサポートしながらやっていて。かつレネさんのやり方を見ていて、すごく面白いなと思ったところがたくさんあって。そういう面で踏襲するのがまず一方であって。ただ、もう一方で上手くいってないからシーズン途中で代わった面も当然あるわけで。そこをしっかり変えようとしないと、選手たちもなぜ代わったという話になる。

 ただ基本的にはレネさんが監督をやって、最初すごく何連勝だったかをした春の期間があってね。その時のサッカーのやってるものが徐々に失われていったところを僕は見てたから、最初の作業としては選手たちに何をやれていたのか、それをまず説明をして映像で見せてこういうことをやっていたよね。これはどういう仕組みだったのかを思い出させる作業から、まず入って」
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 その後、なかなか勝てない時期もあったが、新たに自分たちのボール保持を追及するサッカーに取り組み、選手たちは積極的で、岩政氏自身も決意を持って遂行していたという。

 また、アマチュアとJリーグとの監督の違いに言及。前者だと“全権”が与えられてきたが、後者では異なると述べる。

「J1、J2の監督は中間管理職なんだよね。つまりクラブにはもっと上の存在がいて、その人たちが結構いらっしゃるなかで選手たちと、その間に監督がいてクラブの意向があって。もしくはサポーターもスポンサーも含めて、そういういろんな人たちのなかに監督が現場の長としているんだけども、そこは中間管理」

 その意味で、23シーズンの自信の姿勢を反省する。

「自分がやりたいってよりも、上の意向とクラブの歴史みたいなこと、いろんななかで、その年に僕がやるという一時的なものがあるから。2023年の鹿島でどこに目標を置いてどうやっていくかっていうことを、今思うともっとクラブ、いろんな人たちと共有すべきだったと思う。それを前提にすると、僕は鹿島が何年もタイトルが取れてないなかで、継続的に常に勝つためにはどういう風なフットボールを追求しなければいけないのかを、まず2023年で固めていく第一歩にしましょうというのが僕の感覚」

 来季はJ2に降格する札幌で指揮を執る岩政氏。鹿島での経験を活かし、チームを1年でのJ1復帰に導けるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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