トラックハウスのラウル・フェルナンデスは、MotoGPの2024年シーズン途中でバイクのスペックが変わったが、これに対してあまり好ましいものではなかったと振り返った。
フェルナンデスはアプリリア陣営4台の中で、唯一2023年型のマシンで今シーズンをスタートさせた。これはアプリリアが2024年シーズンの開幕時に、最新型を4台分用意することができなかったからだ。
とはいえ、フェルナンデスにも最新型のマシンがシーズン途中から供給されることになり、後半戦のイギリスGPから最新仕様が与えられた。なおレギュレーションによってエンジンは2023年仕様を使い続ける必要があった。
それでも戦闘力アップが期待されたが、フェルナンデスにとってこれは必ずしも良い結果をもたらすことにはならなかった。ミサノテスト以外で最新仕様を試す機会もなかったため、適応に苦労してしまったのだ。
2024年シーズンの状況について、フェルナンデスは次のように語った。
「こういったことは、今後のシーズンでも、残りの人生でもやりたくないね。これは繰り返したくない」
「シーズンの途中でバイクを変えるのは、本当に大変なんだ。細かな部分を変えるのなら、それはいいよ。でもこの新しいバイクは、(古いものと)全く違っているから、ライディングスタイルなり様々なことを変える必要が出てくるんだ」
「そういうのは、僕らにとって助けにはならないんだ」
フェルナンデスは2023年型に乗りつつも、カタルニアGPとドイツGPではフロントロウを獲得。速さを見せて、2年間の契約延長も勝ち取った。
ただレースリザルトという点でフェルナンデスは一貫性に苦戦。5戦を欠場したチームメイトのミゲル・オリベイラにも敗北する結果だった。
フェルナンデスはMotoGPクラス3年目となった2024年シーズンの評価を求められると「結果的には、とても難しかった」と語った。
「改善することができなかった。多くのことをテストしたかもしれないけど、僕らの時間はあまりなかった。つまりプロジェクト全体の改善により集中していて、多くのことを理解しようとしていたんだ」
「僕は昨年からこのバイクでたくさんのことを試してきた。色々なことを理解したけど、最終的に僕はそれらを活用できなかった。そこはフラストレーションの一部だね」
アプリリアの新たな開発内容をなぜ活用できなかったのか? そうフェルナンデスは問われたが、彼は煙に巻く回答を残した。
「僕は試して、アプリリアは分析をした。彼らが将来、どういった決断を下すか、僕には分からない」