「上手に滑りたい人」を熱烈プッシュ!バックカントリーガイド 佐藤正昭-拓比屋 [TABIYA] 

遅咲きの天邪鬼は我が道をゆく

Photo:Wataru Sugimura

人と同じことが大嫌いな天邪鬼は、ウエアやギアにも浸透している。
「ウエアは約10年間、マムートを着ていましたが、去年からイギリスの『Rab(ラブ)』にしました。着る人のために考えられていて、いい素材を使って、よくできているのに安い。雨が多いイギリスでフィールドテストしているから信頼性が高いのも魅力です」

若かりし頃、山スキーを始めたばかりの自分はお金がなく、ギアを買うことすら難しい状況でした。そんな自分を見かねて白馬のスキーショップ『ラッピー』の松本さんが、「じゃあこれ使いな」とサポートしてくれた。その『ラッピー』が、時を同じくして去年からRabを扱っている。今度は、自分が恩返しする番だと、Rab白馬営業部長としてお客さんへRabを広められるよう意気込んでいる。

スキーも心機一転、ブリザードからアメリカのコロラドで作られる新進気鋭のジャパンブランド『WAPAN』へチェンジした。
「先シーズン、栂池でセンター122の「イ」とセンター105の「ロ」を試乗させてもらったら、フィーリングがすごい良かったんです。スキーの移行に伴って、ブーツはテクニカから『ディナフィット』になりました」

会社を立ち上げて、ウェアとギアを一新し、新たなスタートを切る。独立したガイドとしては遅咲きの48歳は、これから忙しくなりそうだ。
「ホームページを作ったからといってお客さんが来るわけでもないので、これまで通り、松原慎ちゃんと遊びに行く日の方が多くなるかなと(笑)。足を伸ばしていろんな斜面を見てないと、そのときのいいところをドンピシャで当てることは、なかなかできないと思うんで、遊ぶことって大事です(笑)」

初・中級者限定の少数精鋭で、静かな山域へ。誰ともかぶらないウェアとスキーに身を包み、ガリガリの菅平とフワフワの白馬で培ってきた技術を惜しみなく与える。
「大人数は苦手なので、これからも重箱の隅をつつくような人間、会社でありたいと思います。人はこれをニッチなビジネスモデルと言いますが、ただの天邪鬼です(笑)」

Photo:Wataru Sugimura

Profile】

佐藤正昭(さとう・まさあき)

1976年、長野県上田市生まれ。白馬・小谷をベースにガイドする「拓比屋」代表。幼少期から高校まで競技スキーに打ち込み、基礎スキーを経て、雪山の世界へ。白馬八方尾根スキースクール勤続約20年の経験を持ち、雪山を滑るテクニックのわかりやすいレッスンに定評がある。「パワーゾーン白馬」などで雪山の経験を積み、2024/25シーズンから独立。得意とするBCエリアは、白馬、栂池をはじめとする小谷村エリア。日本山岳ガイド協会認定の登山ガイドステージⅡ、スキーガイドステージⅡを保有。元SAJ正指導員。

保有資格:日本山岳ガイド協会認定(JMGA)
・登山ガイドステージⅡ
・スキーガイドステージⅡ

拓比屋 [TABIYA]
公式サイト:https://tabiya.jp/
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