海外で民泊に宿泊し、親切にされた経験がうれしかったことから、日本の自宅で民泊を始めてみることにした作者。世界中からゲストが訪れる民泊を実施にやってみた感想とは……。Instagramで公開されたマンガが、「これは素敵な経験でしたね!」「民泊、面白そう!」と話題の作者、「harusame」さんにお話を聞きました。
マンガ「自宅で民泊やってみた」のカット(harusameさん提供)
【マンガ本編】日本の自宅で民泊を始めてみた! やって来たゲストはどんな人?
海外の民泊体験がきっかけで、自分もホストに!
自宅で「民泊」をやってみたことについて描いた3つのマンガ「自宅で民泊やってみた」が、Instagramで合計6400以上のいいねを集めて話題となっています。
かつて、海外で民泊のお世話になったことがある作者。たくさん親切にしてもらったことがうれしく、自身もホストとして自宅で民泊を始めることにしました。世界各国からゲストがやってくる民泊の魅力や苦労とは……。読者からは、「民泊、新しい発見があって楽しいですよね!」「私も民泊をやろうと思っていたので、参考にします」「お子さんの意見も素直で分かりやすくて納得」などの声があがっています。
このマンガを描いたのは、Instagramやnoteなどでマンガを発表している、「harusame」さんです。また、Kindleストアでは、自宅民泊について詳細に書いた『旅と育児とホームシェア』も出版しています。harusameさんに、作品についてのお話を聞きました。
ーー民泊では、主にどのような人を、どのぐらい受け入れていましたか?
海外から日本への旅行者を中心に20か国、100人以上のゲストが泊まりにきてくれました。
ーーそのなかでも、特に印象的だったのはどのような人でしたか?
印象的な人たちばかりでした。私は普通の住宅街に家族と住んでいるので、わざわざそこに泊まりにくる人は少し変わっていて面白い人が多いのだと思っています。
マンガにも描きましたが、アイドルのコンサートの「音漏れ」を聴きに来たマレーシア人のゲストとは、一緒にアイドルのDVDを観て盛り上がり、とても楽しかったです。ドイツ人の保育士のゲストと一緒に子供の送迎をして、日本とドイツの教育の違いについて話し合ったことも印象的でした。また、オーストラリアから来た映像クリエーターのゲストは、うちの息子を撮った映像に特殊効果を付け、映画のワンシーンのように編集してくれて息子は大喜び。ほかにも、フランス人のゲストが全然帰ってこなくて心配をしていたら、近所の居酒屋でほかのお客さんと意気投合し、一緒に遠方へ観光に行っていたという出来事がありました(笑)。
ーー民泊に来てくれた人とは、その後もつながりはあるのですか?
滞在後も連絡を取り合っているゲストがいます。数か月前には旅行でパリへ行った際、パリ在住のゲストに会って食事をごちそうしてもらいました。
ーー民泊をやってみて、「良かったな」と感じたことは何ですか?
わが家に泊まりに来てくれたゲストは日本が大好きな人たちばかりで、彼らを通して日本の魅力的なところをたくさん知ったことです。話していると「そんなに好きなんだ」「そんなところを面白いと思うんだ」と驚きの連続で、自分の国を誇らしく思いましたね。旅行で異国にいる気分でしたし、気の合うゲストたちばかりだったので「異国で生まれ育った人ともこんなに気が合うんだな、人類最高!」と幸せな気持ちにもなりました。
また、自宅で民泊をやっていたので、お金の面でシビアになりすぎずにできた点も良かったです。運が良い月は、自宅のローンを全額ゲストに支払ってもらったことも(笑)。
ーー逆に「大変だったな」と感じたことは?
なんといっても掃除です。子育て中ということもあり、普段は家が散らかっていることが多いので、ゲストが来るたびにキレイにして、滞在中はその状態をキープするという点が苦行でした。民泊をやっている間はいつも部屋がキレイだったので、気分は良かったですが(笑)。
ーーこの作品を読んで「泊まってみたい」「受け入れてみたい」など、民泊に興味を持った方がいらっしゃいます。どちらも経験しているharusameさんから、アドバイスやメッセージをお願いします。
まずは実際に「家主同居型」の物件で、ゲストとして民泊を経験してみましょう。「他人に暮らしをシェアする」という感覚が、どのようなものなのか分かるかと思います。
ゲストとしてもホストとしても、事前に調べるべきポイントは「レビュー」です。私が利用した「airbnb」というサービスでは、「相手がどのような人物なのか」「何に興味を持っているのか」などを登録者のプロフィールで確認できます。
そして実際に会ったときには、「オープンマインドでいること」「心地の良い距離感を探ること」などを意識します。いまは話しかけてほしいのか、放っておいてほしいのかなど、その都度相手を観察すると良いかもしれません。
ーー作品について、どのような意見が寄せられていますか?
「面白そう」「やってみたい」など好意的な意見が多くてホッとしています。「トラブルが多い」という印象から、民泊に対してあまり良くないイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、今作を機に「そんなことばかりではない」と知っていただけたらうれしいです。
ーーマンガを描き始めたのは、いつ頃からでしょうか?
第3子が生まれた5年前の2019年からです。海外旅行が趣味なので、普段は子連れでの旅行記や日常の育児で面白かったことなどを中心に描いています。
ーー今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。
旅行ネタは、たくさんの人が描いていますし、すごいネタを持っている人が大勢います。なので、あまり人が経験したことのない「自宅民泊」に関するエピソードを描いてみました。私の作品が埋もれないように……(笑)。
ーー創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えて下さい。
私自身、海外の個人宅に泊めてもらい、たくさんの親切を受けました。それをきっかけに、「善意を循環させなければ!」という使命感に駆られ、民泊を始めたところがあります。これからも自分が経験して面白かったことをシェアすることで、読者の皆さんが「何かを行動するきっかけ」になるようなマンガを描いていきたいです。今後ともよろしくお願いします。