マンガ原作の実写作品に含まれる性的、暴力的な描写は、その作品を彩る要素のひとつです。なかには、過激すぎる内容がゆえに公開、配信の際に年齢制限がかかった作品がありました。



二階堂ふみプロフィール写真

【画像】え…っ?朝ドラ放送中に? こちらが二階堂ふみさんが衝撃の姿を披露したマンガ実写化作品です(3枚)

初の試みの作品も

 人気マンガの実写化では、原作の過激な描写や官能表現をどう再現するかに注目が集まるケースもよくあります。なかには、年齢制限がかかることもいとわず、ハードな世界観を再現し高い評価を得た作品もありました。

『彼女』18+

 2021年にNetflixにて独占配信されたふたりの女性の愛憎を描いた映画『彼女』は、中村珍先生の『羣青』が原作です。同性愛者の「永澤レイ(演:水原希子)」が、高校時代に思いを寄せていた「篠田七恵(演:さとうほなみ)」にDVを振るっていた夫を殺し、ふたりで逃避行をしていく姿が描かれています。

 作中には暴力描写やレイと七恵との性愛描写などのシーンが多く含まれており、Netflixのレイティングは「18+」に設定されています。特にレイが七恵の夫を殺害するシーンは、お互い全裸で血まみれという衝撃的な描写でした。

 本作はラブシーンやヌードシーンの撮影をスムーズに進める専門家「インティマシーコーディネーター」が、日本国内で初めて導入された映画としても有名です。俳優陣が安心して演じられる環境があったからこそ、原作の雰囲気を損ねることもなく高い評価につながったのかもしれません。

『性の劇薬』R18+指定

 水田ゆき先生のマンガ『性の劇薬』は2020年に実写映画化され、激しい性愛描写や暴力表現を理由にR18+指定の年齢制限がされました。本作は飛び降り自殺を図ったエリートサラリーマン「桂木誠(演:渡邊将)」が、彼の命を救った謎の男「余田(よでん/演:北代高士)」に監禁、調教される物語です。

「『性』によって『生』の意味を見つける」というテーマで、監禁、調教生活による苦しみや快楽を通した、主人公の「再生」が描かれ、ベッドの上で全裸にされて拘束されるなど余田によるアブノーマルなプレイが原作通りに再現されました。

 さらに、性行為中のシーンでは性器が映らないようカメラワークなどに工夫がされつつ、行為の激しさもしっかりと描かれています。本作は2021年の「サンディエゴLGBTQ映画祭」で最優秀国際長編作品賞を受賞するなど、ストーリー性も高く評価されました。

『リバーズ・エッジ』R15+指定

 2018年にR15+指定で公開された『リバーズ・エッジ』(原作:岡崎京子)は、若者の抱える問題がリアルに描かれました。

 女子高校生の「若草ハルナ(演:二階堂ふみ)」は、恋人の「観音崎(演:上杉柊平)」にいじめられる「山田一郎(演:吉沢亮)」を助けます。そして、ハルナは山田から「ある秘密」を明かされ、不思議な関係が始まるのです。

 本作は主演の二階堂さんや「ルミ」を演じた土居志央梨さんらの大胆な濡れ場も登場し、生々しいリアルな描写が含まれています。特に観音崎との行為中、終始真顔な二階堂さんの演技が印象的で、つかみどころのない性格のハルナを見事に表現していました。

 ドラッグや生死、家庭不和などのテーマに対する、若者ならではの焦燥感や憂いなど繊細な演技も作品の見どころで、「全員の目がすごく綺麗で、ドロドロのなかひと握りの光が見えるようで吸い込まれそうになった」「1本の映画に欲望やら死体やらと重い内容を詰め込みながら全てつながる伏線回収エグい」などと、好評の声が数多くあがっています。