【新日本】オーカーンがタイチと激闘ドローでKOPW封印宣言、1・4ドームへIWGP挑戦権争奪マッチを提唱

『Road to TOKYO DOME』後楽園ホール(2024年12月22日)
『KOPW 2024』争奪戦/KOPW3年間集大成3本勝負 △グレート-O-カーン
vsタイチ△

 オーカーンが大激闘となったタイチとの3本勝負で引き分け、KOPW2024覇者に。KOPW封印を宣言し、1・4東京ドーム大会のニュージャパンランボーをIWGP世界ヘビー挑戦者決定戦とするよう提案した。

 後楽園大会2連戦初日のメインは『KOPW 2024』争奪戦。保持者・オーカーンに2023年覇者・タイチが挑む。この一戦で2024年覇者が決まることになり、ルールはタイチ提案の「KOPW3年間集大成3本勝負」が採用された。1本目がノーロープ場外押し出しマッチ、2本目が金丸義信レフェリーマッチ、3本目がラストマンスタンディング ランバージャックデスマッチとなる。

 1本目のノーロープ場外押し出しマッチは2022年4月の矢野vsタイチ戦で採用されたルール。相撲色の濃い形式で両者がまわし代わりのベルトを腰に巻いて開始のゴングを聞いた。

 がっぷり四つで組み合うと、オーカーンが投げを打ったが、タイチはノド輪で土俵際ならぬリング際まで押し込む。オーカーンは飛行機投げで切り抜け、タイチを場外に落とそうとしたが、タイチも阻止。上手投げでオーカーンを場外に投げ落として1本先取した。

 2本目は金丸義信レフェリーマッチ。当初、拒んでいた金丸だったが、前日の宇都宮大会でオーカーンが現金で買収。それでも金丸は現れず、オーカーンが「来なかったら勝手に選んだ貴様の責任だ」と迫ると、タイチは「金丸来なかったらノーレフェリーでやってやる」と言い切った。

 するとレフェリーシャツを着用した金丸がウィスキーの角瓶を手に現れた。タイチを入念にボディチェックすると、オーカーンへのボディチェックは簡単に終わらせ、開始のゴングを要請した。

 金丸レフェリーはやはりオーカーンに加担。タイチがコーナーに押し込むと、高速カウントでブレークを命じ、オーカーンが押し返すとゆっくりとカウント。タイチがフロントハイキックで反撃して覆いかぶさると、往年の阿部四郎レフェリーばりのスローカウント。オーカーンがスクールボーイで丸め込むと高速カウントを数えた。

 金丸のオーカーン加担はさらに露骨に。コーナー金具をむき出しにしてオーカーンのホイップ攻撃を誘い、スピンキックで反撃したタイチが聖帝十字陵で絞め上げると、オーカーンをロープ際に運んでエスケープさせる。完全に金丸レフェリーを味方につけたオーカーンは一本背負いでぶん投げた。タイチがジャンピングハイキックで応戦しても、天翔十字鳳は金丸レフェリーがサミングで妨害。タイチの両手を押さえつけると、オーカーンが正拳突きをぶち込む。そして金丸レフェリーは串刺しバックエルボー、後頭部への低空ドロップキックとタイチへの直接攻撃をも展開。角瓶をオーカーンに手渡した。

 タイチもオーカーンのウィスキー噴射を金丸レフェリーに誤爆させ、タイチ式外道クラッチで丸め込んだが、金丸レフェリーは昏倒したまま。オーカーンが角瓶でタイチを殴打すると、アイアンクローで絞め上げた。すると金丸レフェリーが「終わり、終わり」と即座にゴングを要請。オーカーンがレフェリーストップ勝ちで2本目を取り返した。試合後、金丸レフェリーはオーカーンから成功報酬の札束を受け取ってから去っていった。

 3本目はフォール、ギブアップ、反則裁定なしで勝敗は10カウントによるKO決着のみとなるラストマンスタンディング ランバージャックデスマッチだったが、タイチが「てめえ、そんなことまでして勝ちてえのか? てめえ保持者だろ? そんな汚え真似してやりたいか? そんなにやりてえなら、てめえのやりたかった後楽園ホール全体を使ったエニウェアフォールマッチに変更だ」とアピール。ラストマンスタンディングエニウェア戦に変更となった。

 さっそく北側ステージ席での乱闘で幕開け。オーカーンが一本背負いでステージ上から叩き落とそうとしたが、タイチが阻止。ステージ席からのダイビングボディアタックを放った。オーカーンもタイチを客席に投げつけて反撃。場外フェンスを固定する鉄板を投げつけると、イスの山へのパンケーキを敢行してタイチをダウンに追い込んだ。

 タイチが立ち上がるとオーカーンは南側通路へと連行。扉に投げつけ、固定イスを利しての大空スバル式羊殺しで絞め上げる。再びダウンに追い込まれたタイチだったが、オーカーンを壁に投げつけて反撃。サッカーボールキック、ミドルキックで蹴りつけ、硬い床にDDTで突き刺してオーカーンをダウンさせた。

 オーカーンも南側客席を仕切る鉄柵に激突させて逆襲。リング下から持ち出した台車にテーブルをセットすると、そこにタイチを座らせて客席に突っ込ませる。タイチをステージに乗せると、イスで殴打し、テーブルへのイリミネーターを狙った。

 これはタイチが食い止め、イス攻撃で逆襲。ノド輪落としでテーブルに投げつけた。勝負あったかに思われたが、オーカーンはダウンカウント9で起き上がった。リングに戻るとタイチがアックスボンバーをさく裂。再びダウンしたオーカーンだが、アックスボンバーを連発されても意地で倒れず。3発目を一本背負いで迎撃し、ラリアットで逆襲。ダブルダウンとなった。

 両者とも立ち上がると、ラリアットとアックスボンバーが相打ちに。フロントハイキックを打ち合い、タイチがローリングバックブローを見舞えば、オーカーンはモンゴリアンチョップで応戦。タイチがローリングソバットでやり返すと、オーカーンはボディへの正拳突きを叩き込んだ。アックスボンバーを食らっても、顔面蹴り、ブラックメフィストをことごとく阻止。フロントネックロックで絞め上げてタイチをダウンに追い込んだ。

 タイチも何とか起き上がり、イリミネーターを阻止すると右ストレートをさく裂。バックドロップでぶん投げた。意地でも倒れないオーカーンがスーパーマンパンチを叩き込んでも、タイチはジャンピングハイキックで徹底抗戦。ダブルダウンから先に立ち上がると、天翔十字鳳を繰り出したが、キャッチしたオーカーンがリストクラッチ式イリミネーターを敢行。またもダブルダウンとなり、10カウントが数えられた。

 オーカーンが1-1の引き分けでKOPW2024覇者となった。試合後、タイチは自らの手でトロフィーをオーカーンに贈呈。マイクを持ったオーカーンは花道を下がるタイチに向かって「待てタイチ。貴様の3年間しかと受け取った。貴様の栄光をこの余が称えてやる」と敬意を表し、「前年のチャンピオン、こっちこい」と呼び戻すと、「貴様の3年間しかと受け取った。褒美だ。受け取れ」とトロフィーを返した。

 そして最後にオーカーンは「いいか、よく聞け。このKOPWは余が最後のKOPW覇者だ」と宣言。「代わりと言っちゃ何だが、来年1・4東京ドームでIWGP世界選手権権利証マッチをこの余が最後のKOPW覇者として提唱する」とアピール。「これがKOPW覇者にして永久チャンピオンのグレート-O-カーンだ。ひれ伏せ、愚民ども」と締めた。

 バックステージでオーカーンは「これまで愚民が考えもつかないことを実現させてきた。ここでもう一つ愚民どもに提唱してやる。このKOPWを封印する。代わりと言っちゃなんだが、この余の権限で毎年恒例の1・4のランボーマッチをIWGP世界ヘビー(挑戦権)争奪戦に変える」と宣言した。1・4東京ドーム大会恒例の時間差入場バトルロイヤル「ニュージャパンランボー」はここ数年、KOPW争奪戦への出場権がかけられてきたが、それをIWGP挑戦権争奪戦とするよう提案したのだ。オーカーンはKOPWの歴史に終止符を打ち、新たな歴史を作る構えだ。