マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、チームが元レッドブルのエンジニアであるロブ・マーシャルに「予想以上に感銘を受けた」と明かした。
マーシャルは17年間レッドブルに在籍した後、2024年の1月にエンジニアリング&デザイン担当テクニカルディレクターとしてウォーキングを拠点とするマクラーレンに移籍した。
この1年半の間に多くの人材を採用したマクラーレンは、再びタイトルを狙えるチームへとステップアップ。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリの活躍で、1998年以来となるコンストラクターズタイトルを獲得した。
レッドブルのF1参戦2年目となる2006年から17年間に渡ってデザインチームの中心的役割を担い、空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイと協業してきたマーシャルの評判はマクラーレンを満足させるモノだったが、彼の実践的なアプローチと上から部下を見下ろすのではなく、仕事に没頭するその姿勢に、ステラ代表をはじめとするマクラーレン上層部は感銘を受けたという。
「ロブは豊富な経験、技術的な観点からの知識、その点での高い評判を携えてやってきた」
そうステラ代表は振り返った。
「彼と私、他のテクニカルディレクター、テクニカルチーム全体と働いて……どちらかと言えば我々は、期待以上の感銘を受けた」
「クルマをどう設計するか、特にクルマをどうレイアウトするかという点で、そのクオリティに驚かされたんだ。そしてそれは2025年や2026年に非常に重要となってくる。私はここでロブの隣に座り、彼がスクリーンで作業しているのを見ている」
「私は、『ロブの獲得は本当に良いアイデアだった』と思ったよ。彼は2025年、26年のマシンのレイアウトに関してすべての仕事をやっているし、かつてのマクラーレンにはこうした役割の人が欠けていたんだ」
「それに加えて、ロブは人間的にも素晴らしい資質を持っているし、とても前向きな人だ。誰もが彼と一緒に働くことを楽しんでいる。彼はエネルギーに満ちている」
「ガレージにいる彼を見ると、クルマの下で地面に寝そべっていることがよくあるんだ」
「彼の素晴らしい知識と経験には誰もが感謝しているが、同時に彼はパーツを手にして、手や時には頭まで汚していることもある。それは以前の我々に欠けていたことであり、今はそうした役割の人がいることを嬉しく思っている」
マクラーレンは技術管理体制を3つに分け、3人のテクニカルディレクターを配置している。マーシャルは前述したようにエンジニアリング&デザイン担当であり、ピーター・プロドロモウが空力担当、マーク・テンプルがパフォーマンス担当となっている。
ステラ代表は以前、ここにうまく既存のチームメンバーを組み合わせ、ポテンシャルを引き出すことを目指すと述べていたが、マーシャルの副官的な役割を担うニール・ホールディは、このプランが間違いなくうまくいったと語った。
「言うまでもなく、プロドロモウはすでにチームにいて、マーシャルはレッドブルからやってきた。テンプルはビークルパフォーマンス部門から来て、私と彼は何年もチームにいた」
「ピートとはすでにうまくいっていたし、ロブが入ってきた。彼はとても協力的で、チームのため、みんなのために最善を尽くしてくれる。実際、その働きぶりは本当にポジティブで、テクニカルチーム全体、性格も専門分野も異なる者同士がいかに協力し合えるかを示してくれたと思う」
「アンドレアがガイドをし、我々がグループでミーティングをする。そうすることで、自分のエリアに集中することができるし、そこで確実にパフォーマンスを発揮することができる」
「だから、今になって思うんだ……もし評価するのであれば、それは間違いなくアンドレアの功績だと思う。マクラーレンのレーシング・テクニカル・チームを構成する上で、その方がより良い方法だったということに気づいたんだ」