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この1年、大相撲界は新旧交代の風が吹き荒れた年だった。

大の里(24)、尊富士(25)ら、若く勢いのある力士が台頭した一方で、1月の初場所、幕内に名前を連ねていた元大関の貴景勝(28)、妙義龍(38)、碧山(38)、北青鵬(23)らが引退して土俵を去った。

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その中の1人、貴景勝改め湊川親方の変貌ぶりが話題になっている。

現役時代の湊川親方は、父から教育された武士道精神や先代師匠の貴乃花親方の暗いイメージを引きずり、本場所中は笑顔を見せたことがない、近寄りがたい力士だった。

勝っても決して喜ばず、負けても、「ああいう相撲を取った自分が悪い」と言い放つのみで、自分の殻にかたくなに閉じこもっていた。

それが引退し、親方になった途端、ガラリと一変。人懐っこい笑みを浮かべ、おしゃべりになったのだ。

「湊川親方は6年前に相撲協会を退職した貴乃花親方の元弟子。やっとそのトラウマから解放されたというか、自分を取り戻したという感じですね。湊川親方は“自分はもともとおしゃべり。現役時代は必要以上のことはしゃべらないようにしていた”と話していた。これからのことを考えると、周囲に打ち解け、社交的になった方が絶対にいいですからね」(部屋関係者)

「センサー、ついてんねん」

周囲がその変貌ぶりに驚かされたのは、親方デビューとなった九州場所でのこと。相撲協会の制服である紺色のジャンバー姿の湊川親方は、これまで敬遠していた報道陣に自分から近寄って来ると、テレビに映っていた取組を指差し「どっちが勝つと思う?」と話しかけてきたのだ。

「これには報道陣もびっくり。またその解説ぶりが的を射ているんですよ。4日目、阿炎が大の里を破った相撲を見て“手にセンサー、ついてんねん”と元大関らならではの表現をして報道陣を感動させていました。湊川人気、急上昇中ですよ」(大相撲担当記者)

湊川親方がいずれ部屋を興すのは既定路線。そのときのためにも、貴乃花カラーに固執していてはためにならない、と思っているのかも。

「週刊実話」1月2日号より