<夜逃げ部屋写真を公開>何度もやられた大家が明かす「夜逃げのリアル」 清掃、ゴミだし、まれに黒字になるパターンも?

夜逃げ犯に今、伝えたいこと

「私が管理している物件は周辺で最安クラスのワンルームが多いので、おのずと夜逃げに会う機会が増えます。入居前の審査は管理会社が行なっているのですが、部屋のグレードから考えて、『夜逃げしたことはないか?』『前科はないか?』くらいしか審査をしていないということもあり……。

また、夜逃げをする人は犯罪とかそういったものに関与しているではなく、単純にお金の問題が多いかと思います。入居するための初期費用を安くしている分、出ていくための原状回復費用がわりとかかってしまうので、それを払うのが嫌で計画的に夜逃げしている人が多い印象ですね」

それでも、夜逃げをすることは身勝手としか言いようがない。最後に、夜逃げした相手に伝えたいことはないのかクワタさんに尋ねた。

「それが特にないんですよね。壁やドアを壊されていたら文句の一つも言いたくなりますが、今回は猫を勝手に飼っていたくらいで、汚れもマシな部類でしたし。怒りの感情などは別にありません。

もともと激安で貸し出していた部屋ですし、もう夜逃げは、数年に一度は起こるイベントとして割り切っています。起こってしまったら淡々と対応して、切り替えて、次の人を探そうかなという感じです」

クワタさんからはあきらめにも似た優しい言葉が聞けたが、だからといって夜逃げをしていいとは絶対に思わないように……。

取材・文/集英社オンライン編集部