【ネタバレ考察】「スケルトン・クルー」前半戦を総括&後半戦の行方を分析!惑星アト・アティンの秘密やジョッドの正体とは?

ディズニープラスで独占配信中のシリーズ最新作「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」も、全8話中4話まで配信され折り返しを迎えた。図らずも銀河の冒険に飛び立ってしまった、惑星アト・アティンに住む4人の子どもたちは、無事に家に帰ることができるのか!?興味はますますつのるところだが、本稿では前半のポイントを整理しつつ、後半の見どころを占っていく。

※本記事は、第4話までのネタバレ(ストーリーの核心に触れる記述)に該当する要素を含みます。未見の方はご注意ください。

■はるか彼方の銀河で迷子に!子どもたちを助けるのは、獄中にいた“謎の男”

まずは基本的なことをおさらいしておきたい。「スケルトン・クルー」で描かれるのは、「マンダロリアン」や「スター・ウォーズ:アソーカ」と同じく、『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6)』(83)で描かれたあとの時代。すなわち帝国軍が滅び、銀河に新共和国体制がもたらされた比較的、平和な時期のエピソード。『グーニーズ』(85)をはじめとする、スピルバーグ主宰のアンブリン作品にオマージュを捧げながら、子ども目線でワクワクするような冒険を見つめた快作だ。製作総指揮や脚本を務めたトップクリエイターのジョン・ワッツはMCU版「スパイダーマン」シリーズの監督としても知られている。


ショーランナーを務めるのは、MCU版「スパイダーマン」を手掛けたジョン・ワッツ / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

次に「スケルトン・クルー」のここまでのあらすじをざっと追ってみよう。平和な惑星アト・アティンでシングルファーザーの父と暮らす少年ウィム(ラビ・カボット=コニャーズ)は、スリルのない毎日に物足りなさを覚えていた。そんなある日、森の奥の谷でとんでもない発見をしたことから、彼は親友のニール(ロバート・ティモシー・スミス)や、同じ学校に通う女子ファーン(ライアン・キーラ・アームストロング)やKB(キリアナ・クラッター)と共に、スペースシップで銀河のはるか彼方へ送りこまれてしまう。以上が第1話のストーリーだ。


4人の大冒険は、偶然宇宙船を発見したことから始まった / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

そこがどこかもわからない大宇宙なのだから、帰りたくても帰れない。第2話では、迷子となった彼ら4人が船内に放置されていたドロイド、SM-33(声:ニック・フロスト)の操縦により、異星のスペースポートにたどり着く。しかし、そこはあろうことか荒くれ宇宙海賊の溜まり場で、子どもがどんなにいきがっても太刀打ちできない。捕らえられた彼らは、獄中にいた謎の男(ジュード・ロウ)に助けられることになる。


第2話のラストで登場したジョッド / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

■故郷に帰還したと思ったら、まさかの荒廃した惑星!?


第3話で登場したキム。ジョッドの知り合いのようだが、その関係とは…? / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

続く第3話は、フォースの使い手である謎の男、ジョッドの手引きで脱走した4人が、アト・アティンに帰るために必要な座標を求めて、銀河のあらゆる星の座標を所有しているという、ジョッドの知り合いでフクロウのような姿をしたエイリアン、キムを訪ねる。ところが、ここでも危機が待っていた。キムの通報により新共和国の警備隊に追われる身となった彼らは、どうにか座標を手に入れて脱出し、アト・アティンを目指す。


第4話でたどり着く、故郷によく似た荒廃した惑星アト・アクラン / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

第4話では、やっとアト・アティンに戻ってきたと思いきや、そこは故郷に似た別の惑星アト・アクランだった。見た目はよく似ているのだが、文明が崩壊し、2つの部族が争いを繰り広げていることが異なっている。4人もジョッドも当然、危険に見舞われるのだが、部族の信用を勝ち得て、座標があるというアト・アクランの“聖域”に案内される。ところが、石柱に刻まれているはずのアト・アティンの座標は削り取られていた。そう、4人はまだまだ家には帰れないのだ!


アト・アティンについての記憶が蘇ったSM-33が、突然暴走し始め襲いかかる…! / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

■お宝が眠る惑星?大いなる事業?子どもたちの故郷アト・アティンの謎が深まる

ここからは「スケルトン・クルー」の考察を加速させる、第4話までに判明した要素を整理していきたい。まずは子どもたちの故郷アト・アティンの謎についてだ。第1話では、アト・アティンでは“大いなる事業”と呼ばれる、共和国にとって極めて重要なミッションがあることが明かされた。しかし、そんな重要な惑星であるにもかかわらず、第2話で宇宙海賊たちは、「そんな星はない」と鼻であざ笑う。彼らにとってアト・アティンは、お宝が眠っているという、古い言い伝えで聞いた架空の星に過ぎない。そしてそれが、銀河の常識としてまかり通っているのだ。


アト・アティンの通貨はとても価値があるようだが? / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

とはいえ、子どもたちにとってアト・アティンはまぎれもない現実で、故郷である。幸いなことに元々は海賊であったらしきジョッドは、アト・アティンの伝説を信じているようだ。そこで、共にこの星を目指すことになるのだが、第3話ではアト・アティンが共和国の庇護を受け、守り続けられていたことが判明。ほかにも保護されていた星はあったが、アト・アティン以外ははるか昔に破壊されたという。そして第4話では、この星が特別なものであることを裏付けるかのように、アト・アティンの座標をSM-33が以前仕えていた正体不明の海賊が消していたことが明かされる。


ほかにも“アト”が名前に付く惑星があるようだ / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

一見すると平和なアト・アティンは、どんな秘密を隠しているのか?近くにはコルサントやオルデランといった星があったとのこと。前者は旧共和国の首都であり、後者は帝国軍に破壊された星であることは、シリーズに親しんでいるファンには、よく知られている。これも謎解きの鍵になりそうな気がするが、いずれにしても、アト・アティンの秘密が明かされることが後半戦の重要なエッセンスとなっていくだろう。


【写真を見る】ここが惑星アト・アティン…?故郷に戻ったはずの子どもたちだが / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

■子どもたちと行動を共にする謎の男、ジョッドの真意とは…?


どこか胡散臭さを感じるジョッド / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
次に、ジョッドの謎についても見ていこう。フォースを使うが、おそらくジェダイではないようだ。欲に憑かれた“ならず者”だが、ことあるごとに子どもたちを助ける。その目的がアト・アティンにたどり着くことにあるのは容易に想像できるが、ならば彼はこの惑星でなにをしようとしているのか?悪党と思ったら善人になり、その逆もあるポーカーフェイスのアウトロー。ハン・ソロにも似た、この人物の謎に関しても、今後明らかになるだろう。ジョッドに扮したジュード・ロウの妙演ともども、これは見逃せない要素だ。


悪党かと思いきや、子どもたちを救う行動も…!その目的はやはりお宝…? / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

一方の子どもたちのドラマに関しては、少しずつではあるが深化を遂げている。やんちゃなウィムは、仲間たちの意外な一面にふれて多くのことを学んでいく。気弱で、誰よりも家に帰りたいと願っていたニールは「やさしさ」を武器にして、思いがけない活躍を見せる。それまで艦長として気丈に振舞ってきた強気のファーンは、どん詰まりの状況に直面して涙を見せる。そして探求心旺盛で常に沈着冷静なKBは、ただ一人キムからの助言を得る。彼らの成長指数は、アンブリン精神を踏襲したドラマであるならば、後半でさらに跳ね上がるに違いない。


第4話ではニールがフューチャーされ、今後より子どもたちの内面に迫る回も出てくるはず / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

子どもたちの冒険の舞台はこれまで、アト・アティン(第1話)→そこからはるか遠くの宇宙船の港(第2話)→未知の月(第3話)→アト・アクラン(第4話)へと変わってきた。これまで舞台を変えながら、知らなかったことを学んできたことを踏まえれば、この後も行く先々で意外な事実が明かされるのでは?と期待せざるを得ない。はたして、彼らの旅のゴールはどこになるのか? 子どもたちの成長を見守りつつ、彼らと同様のワクワクした気持ちで推移を見届けたい!


「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」は毎週水曜日11時より新エピソードが1話ずつディズニープラスで独占配信! / [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
文/相馬学