【新日本】海野が大熱戦制して決意の2024年締め 東京ドームへ「喜怒哀楽全部ぶつけてベルト獲る」

『Road to TOKYO DOME』東京・後楽園ホール(2024年12月23日)
スペシャルタッグマッチ ○海野翔太&石井智宏vsザック・セイバーJr.&大岩陵平×

 海野が大熱戦の末に大岩を下して、IWGP最終前哨戦で激勝。1・4東京ドーム大会でのザック戦に向けて、「喜怒哀楽すべてを東京ドームのメインイベントでザックにぶつけて、ベルトを獲ってやる」と決意を告白した。

 新日本2024年最終試合となるメインイベントは、1・4東京ドーム大会のIWGP世界ヘビー級戦「(王者)ザックvs海野(挑戦者)」の最終前哨戦。ザックが大岩と、海野が石井とそれぞれタッグを組んで対戦した。前日の後楽園大会で行われた前哨戦ではザックが快勝。海野に対して「明日はお前の今年最後のチャンス。もう一度俺を驚かしてみろよ」と通告していた。

 これまでの前哨戦でしのぎを削ってきたザックと海野は、のっけから激しく火花を散らす。裏の裏を読んだ先読み合戦を繰り広げたものの、ザックは海野の左腕に照準。大岩とともに一点集中攻撃を展開した。

 石井と大岩も熱闘を繰り広げると、場内はさらにヒートアップ。海野もザック相手に巻き返しへと打って出る。エルボースマッシュやビンタで正面から打ち合うと、その後も打撃戦でせめぎ合い、両者大の字に。だが、ザックは大岩にスイッチした一方、海野はタッチするチャンスを逃し、苦しい展開を強いられる形に。石井が献身的に助けに入るも、海野は主導権を奪えない。

 TMDKの怒とうの連続攻撃に追い込まれた海野だったが、石井との好連係で活路。TMDKコンビの同士討ちを誘い、同時投げ捨てジャーマンを決めた。4人の大技が連鎖した場面では、海野がザックに再び照準。スイング式DDTから必殺デスライダーを狙ったものの、逆にセイバードライバーで突き刺されて大ピンチに。

 さらに大岩の猛攻を受けた海野だったが、石井がまたも献身的に助けに入る。ドロップキック→投げ捨てジャーマンの連続攻撃でザックを排除したものの、石井の延髄斬りが海野に誤爆。ここがチャンスと、大岩はラリアット、ドクターボムから胴絞めスリーパーで絞め上げて、THE GRIPの構えに。だが、振り抜こうとした瞬間、腕を絡め取った海野はデスライダーをズバリ。逆転の3カウントを奪った。

 中盤から出ずっぱりの状況だった海野が、最後の最後で劇的勝利。最終前哨戦を制してみせた。人工の雪がリングに降り注ぐ中、ベルトを手にするザックと視殺戦を繰り広げた海野は、石井と握手を交わすと、マイクを持つ。

 その口から出てきたのはザックへの感謝の言葉だった。「コロナ禍で大変だった新日本プロレスを支えてくれて、新日本プロレスに居座ってくれてありがとう。コロナ禍でファンのみんなが不安な時もいつも新日本を支えてくれて、強くいてくれてありがとう。ザックに対して本当に心からリスペクトしているし、感謝しかないです」。そう語ったうえで、海野は「ただ、それだけじゃダメなんだ。今すぐにでも結果を出して、そのIWGP世界ヘビー級王座のベルトを腰に巻きたい。(ザックは)2024年はG1覇者として、IWGPチャンピオンとして、MVPとして新日本を支えてきた。2025年からは俺の番だ。ザックへの感謝への思いも自分の野望もすべて東京ドームでぶつけて勝ってやる」と決意を吐露する。それを受け止めたザックは「ショウタクン、ガンバッテネ」と捨て台詞を残して去っていった。

 最終興行を締めたのも海野。「後楽園! 最後までご観戦誠にありがとうございました。2024年は本日をもちまして、新日本プロレス最後の興行となりましたが、最高に心からプロレスを楽しんでいただけましたでしょうか。プロレスが大好きだって。また来たいな、見たいなって思っていただけましたでしょうか」と呼びかけて拍手を浴びる。そして、「みんなの思いを背負って、2025年はもっと熱い熱い熱い新日本プロレスの戦いを皆さんにお届けします。そのためには必ず東京ドームでザックを倒して、IWGPチャンピオンとして後楽園ホールに帰ってきます」と誓うと、最後は「クリエイト・ア・パラダイムシフト!」の雄叫びで2024年を締めくくった。

 次の試合はいよいよ1・4東京ドーム大会。決戦を前にして海野は「悔しい気持ちも嬉しい気持ちも、喜怒哀楽すべてを東京ドームのメインイベントでザックにぶつけて、ベルトを獲ってやる」と改めて断言。「プロレスって最高だろ? 2024年盛り上がっただろ? でも、こんなんじゃない。俺らだったらもっといける。俺たちの世代でプロレスをもう一度大爆発させるんだ。まずは俺が先頭に立って舵を取る。俺が先頭に立ってベルトを巻いて新日本プロレスを導く」と2025年の主役奪取を誓うと、「ザック、絶対お前に負けてたまるか。勝ってやる。意地でも勝ってやる。何が何でも勝ってやる」と自らに言い聞かせるように予告した。