『Road to TOKYO DOME』東京・後楽園ホール(2024年12月23日)
○エル・ファンタズモ&棚橋弘至&矢野通&ボルチン・オレッグ&本間朋晃vsEVIL&成田蓮&SHO&金丸義信&高橋裕二郎×
ガンから復帰を果たしたファンタズモが快勝。1・4東京ドーム大会に向けて弾みをつけたかと思われたが、試合後にEVILが棚橋を襲撃。断髪を強行し、ブーイングの中で「愛してま〜す!」と小バカにしながら絶叫した。
1・4東京ドーム大会ではランバージャックデスマッチルールで対戦する棚橋とEVIL。2026年での引退を表明している棚橋だったが、EVILの度重なる暴挙にブチ切れて、12・8熊本大会ではイスを振り回して反則暴走。EVILに「次の1・4で引退を懸けてやるよ」と宣言していた。
ドームに向けての最終前哨戦として、棚橋率いる正規軍とEVIL率いるHOUSE OF TORTUREが10人タッグマッチで対戦。前日の後楽園大会でガン闘病のため欠場していたファンタズモが復帰をアピールしたことを受けて、急きょ邪道に代わって出場することに。1・4東京ドーム大会では成田の保持するTV王座に4WAY戦で挑むことが決定しており、約1ヵ月半ぶりの復帰戦は最初で最後の前哨戦にもなった。
のっけから大乱闘で幕開けするが、棚橋はEVILを強く意識。タッチをもらっても場外のEVILを威嚇するが、左ヒザへの低空ドロップキックで金丸の奇襲を受ける。すかさずEVILは場外乱闘に持ち込み、「西」と刻まれた鉄板に叩きつけて暴行。左足を客席付近でしつこく絞め上げた。棚橋は代わる代わるにヒザを攻撃され、EVILには「今日で引退しろ」と罵声を浴びる。だが、SHOにドラゴンスクリューを決めて一矢報いた。
オレッグが圧倒的なパワーで流れを変えると、満を持して復帰戦を迎えたファンタズモが登場。TV王者の成田と向かい合う。エルボーやナックルパンチを連打するなど荒々しい攻撃を重ねると、セカンドロープに飛び乗って反転式ボディアタックを発射。間髪入れずにライオンサルトも投下すると、サドンデスの体勢に。これは不発に終わっても、ジャンピングハイキックを浴びせたが、成田もフロントハイキックで押し返した。
拷問軍は総出でファンタズモに猛攻。5人連続の串刺し攻撃から、セコンドの東郷が股間に手刀を振り下ろす。そして、裕二郎がスティックを持ち込んだものの、急行した棚橋が排除。その棚橋を成田は改良型プッシュアップバーで殴りつけた。しかし、ファンタズモがサドンデスをぶち込んで成田を返り討ち。レフェリーの死角を突いて、裕二郎の股間にナックルパンチをねじ込むと、サドンデスで蹴り倒す。そして、サンダーデス’86を投下。裕二郎から完璧な3カウントを奪った。
ファンタズモが復帰戦で勝利を飾り、正規軍サイドは最高の形で1・4東京ドーム大会に駒を進めることになるかと思われた。しかし、一旦下がると見せかけて、拷問軍が棚橋らを襲撃。EVILは棚橋に襲いかかり、ハサミを手にして髪を切ろうとする。一度は奪い取った棚橋だったが、東郷がスポイラーチョーカーで足止め。EVILは一気に棚橋の髪を切り落として高笑いを浮かべた。
EVILは「おい、棚橋。断髪された気分はどうだ。これだよ、これ。俺の気分は最高だ」と嘲笑。「帰れ」コールを受けても不敵な笑みを浮かべると、EVILは「断髪式に起こしの皆さん、愛してま〜す!」と逸材を真似て叫び、大きなブーイングを巻き起こした。
バックステージでも笑いが止まらなかったEVILは「おい、棚橋よ。次はよ、1・4で完全にお前を引退させてから、もう一度正式な断髪式で全部刈ってやるから。感謝しろよ」とニヤリ。東京ドームで1年前倒しで棚橋にトドメを刺し、剃髪に追い込むつもりだ。
一方、棚橋は怒り心頭。「なんでもありのプロレス界でも、やってはいけないこともあって、最低限守らないといけないルールがあって、EVILはその禁を犯した。この代償は高えよ」と声を荒げると、「いいか、東京ドームで、引退だけじゃなくて、髪の毛を懸けてやる。丸坊主にしてやるよ」と宣言した。